『フォトグラファーchinoの写真館』【10】夏の終わりの向日葵

『フォトグラファーchinoの写真館』の第10回は『夏の終わりの向日葵』がテーマです。お愉しみください。

黒々や向日葵垂れて視線合う

炎天や花の影踏む田舎道

夏深し飛行機の影落ちにけり

片蔭はすれ違う人増えにけり

 夏の終わりに向日葵畑へと足を運んだ。背の高い向日葵の間を歩けるようになっていて、あちらこちらから声は聞こえるが、人の姿は見えない。照りつける太陽と真っ青な空、黄色い向日葵の花弁のコントラストが、如何にも夏を感じる。
 北海道のカラッとした夏は、生育に丁度良いのか、向日葵をあちこちで目にする。公園や近所の庭でも目にするが、園芸種なのか大輪の向日葵は最近中々お目にかかれない。八重の向日葵、小輪や変わった色の向日葵も当然可愛いが、大輪の向日葵をやはり見たい。郊外をドライブしている時に遭遇する黄色い畑は圧巻で、絵に描いたような夏の風景だ。近年は蒸した猛暑のある北海道だが、あっという間に寒くなるのは変わらない。手軽に夏を感じられる向日葵畑は毎年見に行っても飽きはしない。暖房を入れ始めたここ数日、写真を見返し、今年の夏の暑さを懐かしんでいる。