『フォトグラファーchinoの写真館』【7】雪解けの進んだ札幌の街

『フォトグラファーchinoの写真館』の第7回は『雪解けの進んだ札幌の街』がテーマです。お愉しみください。

冬囲い解いた園地の広さかな

かぽかぽと靴音響く雪間かな

雨水に光るや札幌テレビ塔

雪解けや歩道にいづる水鏡

春まけて点字ブロック渇きけり

雪解けの進んだ札幌の街撮りをした。
冬だとどうしても地下街を歩いてしまうので、札幌の街中を歩くのは本当に久々だ。
今年の大雪は本当に大変なことで、雪解けができるのかと心配にすらなったが、ちゃんと春は来て、雪は日に日に溶けていっている。
それでもまだまだモノクロの北海道の街は残雪で寒々として見えるが、その陽射しと空の青さだけは春を感じる。
北海道の街が緑の青々しさを感じるのは時節で言えば、初夏まで待たねばならない。
春とは言え、色のない北海道は味気なくも感じてしまう。しかし、ある意味この味気ない季節を味わえるのは今しかないと思えば、貴重なのかもしれない。
個人的には、春になる汚らしい残雪の北海道もそれなりに愛着を持っているので、つまらないと一蹴してしまいたくはなく、べちゃべちゃの道にいつまでも防水靴を手放せなかったり、滑り止め砂が散乱する歩道の歩きにくさも、雪国だけの特権と思えば情趣を感じなくもない。
そんな春ももう終わる。ふきのとうが芽吹いて、啓蟄も過ぎた。あとひと月半程もすれば、桜も咲き、本格的な春を感じるだろう。
街歩きで今だけの、日々芽吹きに向かう北海道を見つめてほしい。