『フォトグラファーchinoの写真館』【5】野良猫

『フォトグラファーchinoの写真館』の第5回は『野良猫』がテーマです。たくましく生きる野良猫たちの素顔をご覧ください。

陽に追われ繁る葎に隠れけり

盆の月昼間の猫を思い出す

白南風にさくら耳がゆらゆらと

眼光の鋭き君も身に沁むか

立秋に集いて眠る野良猫や

天高し港に凛と佇んで

魚釣りに漁港に行くと、必ずと言って良いほど野良猫に出会う。
耳がカットされているところを見ると、正確には野良猫ではなく、地域猫なのだろう。さくら耳と言われる、耳の先のカットは不妊手術を受けた証だ。つまりは誰かが彼らを気にして、世話をしている証拠なのだ。


港の猫たちは釣り人に近付き、釣った魚のおこぼれやおやつを待つ。きっと港で働く人たちに美味しいものを貰っているだろうにふらりと立ち寄る釣り人にも餌を要求するのだ。
そのわりに甘えて鳴いたり、必要以上の媚びを売ることはない。地域猫として人間とある一定の距離を保ちながら生きている。そういう姿がとても気高い猫としての矜持を感じて、ますます猫に対して好感を持てるのだ。