5月の経営者インタビューで取り上げさせていただいた(有)北日本リスクマネジメント紺田社長おすすめのお店、札幌中央区『台湾料理ごとう』をご紹介します。
ススキノ36号線から一本北の仲通、路地を進むと北側に『M’s仲町』という石蔵を改装した建物があり、その1階に『台湾料理ごとう』があります。今年2月で1周年を迎えたばかりということで、店内カウンターには、常連のお客さまからのお祝いの品々が置かれていました。札幌ではほぼ唯一、台湾の屋台料理が食べられるお店として、人気を集めています。
まるで台北の屋台に迷い込んだようなカウンターとメニュー板
お店の扉を開けた途端、カウンターの上に設えられた台湾式メニュー看板に驚かされます。さらに、お店の中に置かれている食材、飲物、食器、お箸、テーブルや椅子に至るまで、各所に台湾の意匠を見ることができて、一瞬で台北の夜市に迷い込んだような雰囲気です。2階には、4名掛けのテーブル席が設けられています。部屋の隅に置かれたラジオからは、国籍不明の歌謡曲が静かに流れ、鮮やかな色彩のテーブルがセッティングされています。
「台湾料理って、どうしてこんなにワクワクするんでしょうね」といいながら紺田社長がオーダーしてくださいました。こちらは台湾茶の『菊花茶』(上段左)。台湾で伝統的に飲まれている菊の花のお茶です。何も加えていない自然な菊の香りと、ほんのわずかな苦味がやさしく身体を温めくれます。前菜として注文したのは、台湾産のピータンを使用した『皮蛋豆腐』(上段右)と台湾の生春巻き『潤餅』(下段右)です。
『皮蛋豆腐』は、お豆腐の上にピータン、カツオブシ、ネギが乗って、その上から台湾独特の調味料『油膏-ヨウカオ』という、とろみのついた甘辛い台湾醤油ソースがかかっているだけのシンプルな構成ですが、奥深い味がします。ピータン特有の刺激臭は全然感じられません。エグ味も控えめでクセのない濃厚な黄身と、お豆腐、ヨウカオが合わさって、重層的な旨みが口の中に広がります。
台湾の生春巻き『潤餅』は、台湾語では『ルンピア』と発音されることが多く、学生街の夜市や道端の屋台で売られています。小麦粉で作った皮に、煮付けたキャベツ、豚肉、干した豆腐、ピーナッツ粉などを巻いて生のまま頂きます。台湾料理ごとうの潤餅は、ニンジン、ヤーコンなど、シャキシャキのお野菜がたっぷり入っていて、すっきりとしたお味。サラダ感覚で幾らでも食べられそうです。
台湾では、お酒の肴として食べられているようですが、ニンニク醤油と紹興酒の香りが食欲をそそります。シジミは貝の口が開いてすぐ火を止めるので、半生状態。シジミの出汁と紹興酒が合わさり滋味深いスープが出来上がります。白いご飯が欲しくなります。
『薑絲炒大腸』生姜とホルモンの炒め物です。『客家(ハッカ)料理』として有名な一品で、さっぱりした酸味と生姜の香りが印象的です。白シメジやパプリカなど、歯ごたえのあるキノコや野菜と一緒にホルモンを噛みしめると、じわっと内臓の旨みを実感できます。台湾で食べると酢でむせ返るような時がありますが、こちらは抜けるようにさわやかな柑橘の香りがします。
台湾料理の食卓に欠かせない青菜料理。今回は『空芯菜の腐乳炒め』を注文しました。鮮やかな緑にクキクキとした歯ざわりの空芯菜、茎は甘くさっくりとしていて、葉はとろりと柔らかい美味しい野菜です。豆腐を麹に漬けて発酵させた食品「腐乳」の熟れた塩味で調味すると、ほんのり酒粕のような香りがします。味出しにおジャコも入っていました。台湾料理の良いところは、炒め油に頼らず、発酵食品や、魚介の旨みで野菜が美味しく食べられるところにあると、しみじみ実感できます。
台湾料理といえば『魯肉飯』。豚のバラ肉を細かく刻んで、甘辛く煮込んだ肉味噌をご飯の上に乗せていただきます。お肉と一緒にしいたけが刻まれて入っていました。台湾料理らしい香辛料、八角の香りが豚の脂の甘い香りと一緒になって、つやつやしたご飯を包みます。添えられた煮卵と黄色いタクワンも台湾屋台らしい雰囲気を盛り上げてくれます。
もうひとつ、屋台料理といえば、こちらの『大腸麺線』です。とろみのあるカツオ出汁のスープに細い麺がからんで、お腹にしっくりおさまります。しっかり煮込まれた豚ホルモンにコリアンダーの鮮烈な香りが良く合います。
オープンから1年。様々なご苦労を乗り越えた末、お客さまに愛されるお店として賑わいを見せる『台湾料理ごとう』。まだ台湾に行ったことがない方も、また、現地で台湾料理が大好きになった方も納得の本格台湾屋台料理が食べられる貴重なお店です。是非一度、ご来店ください。
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住 所:札幌市中央区南4西1Ms仲町1F
電 話:011-251-3676
定休日:月曜日
営業時間:18:00~24:00
(2015年3月取材:羽衣子)