台湾の夏といえば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。マンゴーかき氷?
南国気分てんこ盛りのデザートも良いけれど、この夏は、すっきり飲める台湾アイス緑茶はいかがでしょうか? 今回は自社で台湾茶の栽培、焙煎、販売を行っている、お茶問屋さん『茶師父股份有限公司』を取材しました。
台北駅から西回りの台湾鉄道で2駅先、『板橋駅』からタクシーで10数分行くと、お目当ての『茶師父股份有限公司』は住宅街の真ん中にありました。入口にはお茶の焙煎機が並んでいます。今、まさにお茶が焙じられている香りが漂ってきました。作りたての緑茶。おいしそうです!
こちらの店舗は事務所も兼ねているようです。早速代表の 鍾玉泉社長自ら、お茶を淹れてくださいました。
現地で台湾茶と言うと、茶芸館。店員さんが茶器を駆使して台湾茶を淹れ、奥深いお茶の世界にいざなってくれる、現地ならではのお店です。台北旅行でに立ち寄られたことのある方も多いはず。
茶葉の香りが濃厚なため、お茶器を使って何煎も楽しめる台湾茶は、日本茶とはまた違った楽しみがあります。お話しながら、自分の手で淹れて楽しむお茶。南国らしいのんびりした時間が過ごせます。
台湾のお茶は、淹れるときには熱湯を使います。かなり高温ですが、独特の茶器を用いって抽出し、最終的に飲むための小さい杯へと注がれると、ちょうど良い温度になるのです。
高い温度で淹れるためか、香り高く、スッキリした味わいが特徴。抽出の時間や、お湯の温度はどれくらいがいいのですか? と鍾社長へ質問すると「自分の好きな濃さで飲むといいよ。」とのこと。まさに自由。台湾らしいフリースタイルです。
台湾名物『東方美人茶』や『高山茶』を頂くうちに、気になるお茶を発見しました。
尪某茶(Wang Mou Cha)赤米のお茶?台湾の原住民の伝説を元に作られたお茶だそうです。あの、こちらもご馳走になっても良いでしょうか?
鍾社長が快く淹れてくださったそのお茶は、濃い赤色。そして、赤米の渋さと香ばしさがふわりと香ります。美味い! 新しい味わいです。
鍾社長いわく、
「赤米をただお湯に入れてもこの味にならないんだよ。うちの工場で特別に焙じてるんだ」とのこと。
面白いのが、このお茶(というかお米)、 お茶として飲んだ後は炊飯器に入れて、白米と一緒に炊いて食べられるということ。社員のお姉さんは「成分をお茶として飲んで、食物繊維はお米として食べてね」と、お勧めの味わい方を教えてくれました。おいしくて面白い。斬新なお茶でした。
→尪某茶(Wang Mou Cha)委託販売先:タシナム セレクトショップ: https://tashinam.thebase.in/
台湾茶といえば『ジャスミン茶』やキンモクセイを使った『桂花烏龍茶』のような花茶のイメージが強かったのですが、こちらの店内には、緑茶の種類が圧倒的に多いようです。鍾社長、どうしてですか?
「花茶の中には、香料を添加しているものも多くあるんです。そういったものはあまりオススメしてくないから。ここにあるお茶は、みんな自分達の山で茶葉を植えるところから作っています。茶葉そのものが持つ香りを楽しんでもらいたいんです」
台湾緑茶には、茶葉自体が、蜜の香りや、果物の香りを持つものが多くあります。
そのバラエティに富んだ香りと味わいは、ワインの世界にも通じるような奥深さ。
今回、鍾社長のお店でそんな様々な種類のお茶を味わってみて、台湾の人々は、ありのままの自然の美味しさ、美しさを深く愛しているということを、改めて感じました。
時間の経つのも忘れてお茶を楽しんでいると、近所のおじいさまがお茶を買いにいらっしゃいました。おじいさんは日本から取材にやってきたことを知ると、「僕は日本の会社で働いていたんだ!日本人のお嫁さんがほしいんだけど、誰か紹介してくれない?」と片言の日本語で話し始め、初めて会うのに、しばし会話が弾みました。この垣根の無さと自然さが台湾の魅力です。
台北市内のオシャレな茶芸館もいいけれど、ちょっとディープに、地元の人たちに愛されている自然志向のお茶問屋さんで、生産者の顔が見える台湾茶を味わうのも、おすすめです。
住ああ所a:新北市 中和區民享街68巷14號
電ああ話a:02-8228-1169
wあeあ b:http://tea168.mymy.tw/index.html
Facebook:https://www.facebook.com/TaiwaneseTea/
委託販売先:https://tashinam.thebase.in/
(2016年5月取材:羽衣子)