『フォトグラファーchinoの写真館』【4】バラとラベンダー

『フォトグラファーchinoの写真館』の第4回は『バラとラベンダー』がテーマです。ピンクとパープルが魅せる独特な世界観は、見る人にやすらぎを与えてくれます。

咲き満ちた茨を仰ぐベンチかな

夏空と赤や黄色の庭花よ

数多あるバラの名前を尋ねけり

朝雨はバラの香水作りけり

バラ/バラと一口で言っても、何千、何万と品種がある。和名から洋名まで、その名前のバリエーションは多く、薔薇の図鑑を見るだけでも興味深く面白い。だが、実際に目の当たりにする方がもっと良い。香りばかりは写真からは感じられないからだ。


よく、バラが草花と思い込んでいる人いるが、それは大きな間違いで、バラは樹木なのだ。花の印象が強いせいでそう思うのかも知れないが、実際に地面に生えている様子を見れば、その幹の立派さに納得するだろう。バラは木に咲く花なのだ。だから、育てれば育てるだけ『茨の森』になる。うねうねと太いトゲトゲの枝が縦横無尽に走る様はとても単に「綺麗」などという言葉が似合わないくらい武骨で、危険なので、バラは一歩引いてその香りを感じながら眺めるのが一番良い。

ここそこに虫の踊るやラベンダー

地平までラベンダー冴え渡りけり

ラベンダー/北海道の夏と言えば、ラベンダーと言っても過言ではないだろう。あちらこちらの庭にラベンダーが咲き始めると「夏だな〜」と感じる。また、ラベンダー=紫が定番だが、品種によっては白やピンクといった紫以外の色もある。紫に白やピンクの淡い色が混ざっているとその色彩だけで癒やされる。


ラベンダーはハーブであり、その香りには安眠・リラックス効果があると言われている。私にとっても大好きな香りなので、散歩中に見掛けると都度立ち止まりその香りを感じたり、ラベンダーを香料にしている製品があれば思わず手に取ってしまう。
しかしながら、自分で育てようと思うと、ラベンダーは弱アルカリ性の土を好むため、中々他の植物たちと同居させることが難しく(おおよその植物は弱酸性を好むので)、綺麗に咲かせているお庭を見ると、その手腕に感心し、感謝しながら楽しませていただいている。