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 ぶれない社長のぶれない趣味 ~尽きない珈琲への、そして車への愛。

 

― 徳光社長は世界各地の珈琲の原産地を訪ねていらっしゃるのですね

徳光「南米、中米、アフリカ、アジア、12カ国、複数回、行ってきました」

 

― 日本で飲まれている珈琲には何か、日本らしい特徴がありますか?

徳光「大雑把に言うと、珈琲豆の原産地では、おいしい珈琲が飲めないんです。現地では外貨を稼ぐために珈琲栽培を行っているので、良いものは全て輸出されてしまう。逆に言えば、日本国内のほうが良いものが流通しています。15年程前に日本でスペシャリティ珈琲協会が発足して、堀口珈琲さんが動いて。その時代の変遷をずっと見てくることができました」

 

― 日本の珈琲文化の変遷を、第一線で目の当たりにしていらっしゃったのですね。

徳光「30年、40年前の日本の珈琲と、今の珈琲では桁違いに味が違うと思います。そういう意味では、いい時代になってきているのですが、一般流通品も当然、流れていますし、僕の仕事としては、よりハイエンドの珈琲をどうやってお客様へ提供するか? ということだと思うんです。個人店はそういう風に尖っていかないと生き残れないでしょう。店舗で生き残るのは、今、相当難しい時代です」

 

― こういった状況は世界的な流れなのでしょうか?

徳光「アジアは全然進んでいないですし、中米の一部ではものすごく進んでいます。ブラジルでも多様化が起きています。国によって、地域によって全く違います」

 

― 北海道はどうですか?

徳光「北海道は、珈琲を飲む文化があるんです。でも、いい珈琲を飲んでいる割合は相当少ない。マーケット的には、まだまだ可能性がある地域です。いち早く、求めている人にいい珈琲を届けていくことが必要だと思います。今はインターネットが発達して、選択肢が増えているので、伝えていく仕事が大事になってきています。だからこそ、地道に珈琲教室を続けています(笑)」

 

― 徳光珈琲さんの珈琲教室、10年間で800回開催と伺いました。すごい数字ですね! 徳光社長が直々に教えてくださるのですか?

徳光「一時、エスプレッソとかラテアートはスタッフに任せたことがありましたが、そのスタッフも独立しちゃったので、今は自分でやっています」

 

― お店に出られて、経営のお仕事をされて、自ら珈琲教室まで開いていらっしゃる。お休みできる日はあるんですか?

徳光「休みはね。なかなかフル休みはないですね。夜しか空いてない感じです。たまに息抜きはしますけれど、今のところは開店時間中は何かしら仕事をしています」

 

― 徳光社長の具体的なお仕事内容を伺ってもよろしいですか?

徳光「この石狩店にいるときは、珈琲を淹れることもありますが、基本的には後ろで豆の作業をしています。毎週金曜日は卸し先へ豆の配達もあります」

 

― 社長自ら配達にいかれるのですか?

徳光「直接お会いして、卸し先の動向を知るということも大切ですし、そこからご紹介いただくこともありますから。タイミング的にスタッフに任せることもありますが、基本的には自分で行くようにしています」

 

― 貴重な夜の時間はどのように過ごしていらっしゃるんですか?

徳光「息抜きはワインスクールのメンバーと好きなワインバーへ行ったりすることです。それくらいでしょうかね」

 

― お好きなことを仕事にされた方は、お仕事とプライベートの切り分けが難しいですね。

徳光「メリハリの有る生活をしたいな。と思っているので、もうすこし頑張ったら、今後はそういう風にしたいですね。今のところはなかなか(笑)」

 

 

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― 徳光社長のご趣味は、はやり珈琲に関することですか?

徳光「そうですね。…あとは、車くらいかなあ」

 

― 徳光社長のお車、ロシア製だと伺いました。ロシアの車、どういう風に入手されたのですか?

徳光「大学時代に車を買おうと思って中古車屋さんを巡っていたときに、今乗っている車の古い型が置いてあって、そのスタイルが好みだったんです。後ろを見るとイタリア国旗みたいなのが付いている。イタ車かな?と思って、タイヤを見ると『USSR』って書いてある。なんじゃこりゃ! ソ連じゃん! ってなりまして。その時は買わなかったんですけど、やっぱり気になって。さらに中古車屋を巡って、たまたまあったのを学生時代に買いました。今乗っているので4台目です」

 

― ブレが無いですね! 因みに、なんという車なんですか?

徳光「『ラーダ』という会社の『ニーヴァ』という車です」

 

― 手に入れるのも相当大変そうですが…。

徳光「この車は、保険会社時代の代理店さんから買ったものなんです。マニアックなヨーロッパの車を自社で並行輸入しているしている会社なんですが、ドイツのディーラーがロシアから『ニーヴァ』を入れるから買わないか? という話が出たときに、真っ先に僕に電話が来て『徳光くん、買うよね? もう1台用意してあるから』って(笑)。部品は全部ドイツから調達しています」

 

― 好きな音楽、書籍、映画がありましたら、教えていただけますか?

徳光「昔はジャズをよく聴いていました。レコードの雰囲気が好きなんです。でも、うちの店は無音なんですよね。『堀口珈琲』もそうだったんですけど、基本的に珈琲を楽しんでもらいたいということと、音は店が創りだすというイメージなんです。スタッフが働いている所作でお店の雰囲気作りができればいいかなと。なかなか難しいんですけど」

 

― お湯の沸く音、カップを並べる音、そこから珈琲を楽しむ。

徳光「ここ(石狩店)は、まさに豆をひいたり、ハンドピックのような豆の作業をしていますから、その音全体が店のBGMになるといいな。と思っています」

 

― 豊かなお仕事ですね。お仕事される中で、悩まれることはありますか?

徳光「自分で好きなことをやっているので、好きなことをやっている分には悩みは無いんですが、人を抱えることになってくると、難しいことが多々あります。今後を担う人をどうやって育てていこうかな。ということは悩みます。今後、優良な人材を個人事業の店が抱えるというのは、かなり困難になると予想して、人材確保が近々の課題だと思っています」

 

― 具体的には、どんな取り組みをされているのでしょうか?

徳光「店長だけが社員で、他の従業員は全員アルバイトというのが、飲食店では普通です。うちの店では法人化した時点から、従業員の正規雇用を実施しています。これが相当、無茶なんですね。会社の負担が大きくて大変なんです。でもこうすることで、スタッフが長く働けたり、働く意義を感じてもらいたいと思っています」

 

― このお店で珈琲を飲んで、このお店の味が好きで、入店を希望してくる方はいらっしゃいますか?

徳光「はい。います。だから、うちも求人広告は出さないんです(笑)。入店を希望する方からは履歴書を頂いて、面接はさせてもらっています。先に別の就職が決まってしまったら、仕方ありませんが、就職先からでも動いてきます。と言ってくれる人もいますので、タイミングがあれば、募集がなくても、また後から声をかけさせてもらったりしています」

 

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― 最後に今後の夢と目標を教えていただけますか?

徳光「広げるよりは、どうやってコンパクトにしていくか。ということを考えています。55歳くらいまでには、いろいろな意味で目安を付けてなくてはいけないと思っていますので、この10年でうちのお店のスタイルを確立していきたいです。ここを今、模索している最中です。こうすれば、こうなるという答えは無いので、それを10年かけて探して行きたいと思います」

 

― 具体的に何か計画していらっしゃるんですか? 

徳光「ここに来れば、本当に美味しい珈琲が飲める。そのスタイルの確立。そのためには、ただ産地に行くだけではなくて、もっと掘り下げていかなくてはなりません。僕の夢でもありますが、今度は消費国側にも行ってみたいと思っています。ヨーロッパとか、合衆国だったり、オーストラリアでもいいです。今とは違った側面から珈琲を見てみたいです」

 

― プライベートでやってみたいことはありますか?

徳光「ワイナリーとつながってみたいと思っています。北海道には葡萄を作っているところがありますよね。どういう絡みができるかわからないですが、ワイナリーと何か仕事ができたら面白いな、と思います。珈琲の種は買えますけど、日本では作れないんです。ワインは原材料の葡萄から作れるんですよ。だから、そういうことをやってみたいな。と、今は、思っているだけです(笑)」

 

― 書いちゃってもいいですか?

徳光「(笑)まあ、そんな思いも、あります。というくらいですが」

 

― 今日は非常に勉強になりました!ありがとうございました。

 

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 光 康宏 (とくみつ やすひろ)

 1971年 12月3日生まれ 石狩市出身 O型 

 学生時代から朝食のパンに合わせてなんとなく
珈琲を飲み始める。珈琲店でのアルバイトをきっ
かけに、大学2年から学校祭に個人で珈琲店出店。
4年時には2日間で250人来店を記録する。

 保険会社に7年間勤め、その後独立。2005年
11月に『徳光珈琲』石狩店をオープン。2009年
円山店、2010年BISSE大通り店、2016年には
Café&Sweetsばんなぐろ店をオープン。札幌を
代表するスペシャリティ珈琲専門店代表として、
自ら珈琲教室講師も勤める。[徳光珈琲WEB]

  (取材:2016年 10月)

 

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