徳光珈琲 德光康宏 代表

徳光珈琲 德光 康宏 代表インタビュー
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 大学模擬店で本格ネルドリップ? ~珈琲の名店を訪ねて全国遠征

 

― 本日は、どうぞ、よろしくお願いいたします。プロフィールからお伺いいたします。

光社長(以下、徳光)「はい。1971年12月3日生まれ、O型です」

 

― 好きな食べ物、苦手な食べ物がありましたら、教えてください。

徳光「そうですね…ワインに合う食べ物が好きです。ワインが好きなので」

 

― 例えば、どういったお料理ですか?

徳光「フレンチでもイタリアンでも。今は和食でもワインに合わせられるので、ワインの有るお店へ行くようにしています」

 

― ワインがお好きなんですね。

徳光「そうですね。珈琲に共通する香りの表現があるので、勉強を兼ねて飲んでいるんです」

 

― ワインの世界も珈琲の世界へ通じる部分があるのですか?

徳光「珈琲は果肉の中の種が原材料で、ワインは葡萄の果肉が原材料です。果実味のある味わいというのは、珈琲にも有るんです。これまでの珈琲にはあまり感じ取っていただけないことが多かったんですけれど、今は果実味のあるおいしいコーヒーが味わえるようになってきました。ワインと珈琲には繋がるところがありますね」

 

― 好きな言葉がありましたら、教えてください

徳光「ずっと(この道で)やってきていますから、『ブレない』という言葉が好きかもしれません」

 

― 珈琲に興味を持ち始めてから今日まで、ずっとぶれずに歩まれてきた徳光社長らしいお言葉ですね

徳光「根がそういう感じなんです」

 

― ご出身は石狩なんですね。

徳光「はい。元々、ここ(徳光珈琲 石狩店)には祖父母の家が建っていて、僕の生家でした」

 

 ― 石狩でお生まれになって、おいくつまで石狩にいらっしゃったのですか?

徳光「大学を出るまではこちらです」

 

― 珈琲との出会いはいつ頃ですか?

徳光「子供の頃から朝はパン食だったので、最初はインスタント珈琲をなんとなく飲んでいました。中学校とか、高校とかの学校祭があると、クラスの模擬店で珈琲を出していたんです。僕はいつも裏方で珈琲を入れる作業をしていました」

 

― ご両親がご自宅で珈琲を淹れていらっしゃるのを真似て、始められたんですか?

徳光「どうだったかな…。珈琲を淹れる道具とか、雰囲気が好きで、なんとなく自分で始めたんです。高校を卒業して、1年浪人した時に珈琲屋のバイトが無いかと探していて…」

 

― 最初から、珈琲屋さんでアルバイトをしようと決めていらっしゃったんですね。

徳光「ええ。その時、たまたま、良い珈琲店に採用してもらったんです。そこで大学2年までバイトしました。そこはネル(※珈琲を淹れる布製のフィルター)で淹れるお店で、良いカップで、良い雰囲気で、大人が珈琲を飲むお店。『カフェ』というより『喫茶』という感じのお店です。そういう場所に自分でも憧れていたところがありました。そこでバイトしたことがきっかけで、大学2年の学校祭から、個人で珈琲の模擬店を出すんですけど…」

 

― 個人で出店ですか?

徳光「ええ、だいたいみんな、学部とか学科単位で出店しますよね。飲み代を稼ぐために(笑)。僕の場合は、自分で企画して、実行委員会に『出店できないかな?』と聞いたら、『1人で出店するっていうのは、前例が無い』って(笑)。でも、1人でもできるなら、どうぞ。って。許可してくれました。それで機材を揃えて、通常は紙コップとかで提供するんですが、磁器のカップを揃えて、ちゃんとネルで淹れて出しました」

 

― 学校祭でそんな品質の良い珈琲を出している喫茶店というのは聞いたことがないです。しかも1人で!

徳光「それを大学2年から4年まで。年2日営業して、営業しながら売上は設備投資にまわしてですね…」

 

― 学生の頃から、運営の方まで管理をしていらっしゃった!

徳光「店頭に飾ってある秤(はかり)も、当時買ったものです。3年続けて校外から来てくれるお客様もいて。こういう仕事が自分に合ってるな、と。その時から将来、お店を出そうと、自分では思っていました」

 

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― その頃、既に、お好きな珈琲の味の方向性や、お店の雰囲気など、イメージが確立されていたのですか?

徳光「当時は、バイトしていたお店のスタイルがいいな、と思っていました。色々飲んで、珈琲のことを知れば知るほど、自分で焙煎をしないとダメなんだ。と思うようになります。喫茶から入って、その後、少しずつ自分で豆を焙煎して販売する方向へシフトしていきました」

 

― 徳光社長はどうやって珈琲に対するご自身の感覚を磨かれたんですか?

徳光「最初は、札幌市内の珈琲屋さんを巡ったんです。そうやって飲んでいくと、1軒だけ、他の店と全然違う、クリアな味の珈琲を出すお店があったんです。美味しいかどうか。飲めばシンプルに分かります。そのお店にお願いして、大学3年の終わり頃から卒業まで、バイトさせてもらいました」

  

― 他のお店と味が違った。その違いの理由は何だったのですか?

徳光「焙煎という加工の部分も自分の店でしていましたし、珈琲に対する考え方も他のお店とは違いました。比較していくとよくわかります。その間にも、バイト代が溜まったら、珈琲のおいしいお店を訪ねて、東京へ行ったり、福岡へ行ったりしていました」

 

― 学生の時から全国遠征をしながら、おいしい珈琲店を訪ね歩いていらっしゃったのですね。

徳光「バイトを4つくらい掛け持ちしていたころもあったので、稼いで、出かける。自己投資みたいなものですね。そして、その先で良い豆が見つかったら、学祭の出店用に仕入れてくる」

 

― そんなクオリティーの高い豆を使った模擬店の珈琲なんて聞いたことがありません(笑)。

徳光「メニューもかなり驚きの内容でしたよ(笑)」

 

― どうして、そこまでできるんですか?

徳光「根っこの部分で珈琲が好きだった。ということはあると思います。珈琲が持つ雰囲気だとか、珈琲を淹れるという所作、しつらえ、スタイルが好きでした。最初はそこから入って、それを兼ね備えつつ、尚且つ、自分で珈琲を焙煎して、より良いものを提供できないか。自分で出来る方法が無いか。と、学生時代から考え始めた結果です」

 

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