きっかけはHAMMONDオルガン
― 台北でジャズが楽しめるお店というのは、本当に少ないようですが、この街でJazz Barをお続けになっている秘訣は、やはり桑原オーナーのお人柄にあるのでしょうか。今日はどうぞ、宜しくお願いいたします。
桑原伸樹代表(以下、桑原)「いえいえ、ほんとにね。つまらなかったら没にしてくださいね(笑)」
― とんでもありません! どうぞ宜しくお願いいたします。プロフィールから伺わせてください。
桑原「1955年11月9日生まれ、A型。埼玉の浦和出身。高校からは東京です」
― お好きな食べ物と苦手な食べものがおありでしたら、教えていただけませんか?
桑原「僕はやっぱりね、寿司が好きですね」
― 台北で美味しいお寿司が食べられるところがありますか?
桑原「なかなか(笑)。日本と同じものをというのは、さすがに難しいですねえ」
― 苦手なものはありますか?
桑原「臭豆腐は未だにダメですね。アレだけダメなんだよね(笑)」
― 音楽を始めたきっかけは何ですか?
桑原「HAMMOND(ハモンド)オルガンです」
― 以前、桑原さんはHAMMONDオルガンの講師をなさっていたそうですね?
桑原「ええ、そうなんです。学生時代にインストラクターの資格を取りまして、プレーヤーをやっていました。」
― 小さな頃から楽器を習っていらっしゃったんですか?
桑原「いいえ。中学の頃からです。うちにはピアノが無くて、エレクトーンがあったんですよ。最初は別の大手エレクトーンメーカーで習い始めたんだけれど、高校くらいからジャズが好きになっちゃってね。そうしたら、そこではジャズを教えてくれなかったんですよ。それで、そんなにジャズが好きならHAMMOND オルガンのほうへ行ってみなさい。と言われてね」
― 申し訳ありません。私、オルガンについてあまり詳しくないので、教えてください。HAMMOND オルガンはジャズの世界で良く使われている楽器なのですか?
桑原「そうですね。ジャズ、ロック、ブルースに使われています。エレクトーンの元祖みたいなものです」
― 中学生の男の子が鍵盤楽器を習うというのは、珍しいことなのではないかと思うのですが…
桑原「そう。嫌でしたよ。サッカーだ、野球だ、ってみんなやっているときにね。だから友達には内緒にしてました」
― そうでしたか。 それでも続けていらっしゃったのは、お好きだったからですか?
桑原「うん。好きだったですね」
― ご自宅にエレクトーンがあったというのは、ご家族でどなたか弾く方がいらしたのですか?
桑原「兄です。兄がギターが好きで、しょっちゅうバンド仲間がうちに遊びに来ていて。当時、エレクトーンが出始めの時。兄貴が買ってきたんです」
― バンドの作曲のためにですね。
桑原「ええ。そうやって遊んでてね」
― それをきっかけに中学生くらいからエレクトーンを習い始めて、その後、HAMMOND オルガンに移行するのはお幾つくらいの時ですか?
桑原「大学に入ってからです。」
― その時に講師の資格を取られて、卒業してすぐ、その道に進まれるんですね。迷いは有りませんでしたか?
桑原「えーっとね。なかったですね。その頃はねえ、食えたのよ(笑)」
― 音楽の道で食えた! 素敵ですね。
桑原「エレクトーンが弾けるとね、生徒さんを教える仕事の他にも、結婚式の仕事が幾らでもあるわけですよ。夜になると、カラオケが出るか出ないかの頃ですから、生演奏でお客さんが歌う時代だった。それで、夜はお店で演奏してました」
― それでは、朝から晩まで演奏がお仕事だったんですね!
桑原「ですね。だからね、面白くて就職しなかったの(笑)」