音楽紹介 [72] 『OZONE 60』

こんにちわ、SOFFetのYoYoこと、YoYo the “Pianoman” です。

このタシナムサイトでの先日の音楽紹介コラム[68]を読んでいたら・・・え!?まさかの「YoYo」の文字が!!!驚

筆者の西内さん、ご夫妻で繰り広げるあの展開の読めない会話のやり取り。

ひっそりと日常が垣間見れるような、いつもツッコミ多発で爆笑なやり取りの中に、自分「YoYo」の突然の文字に、嬉しく有難く震えました♥

楽しく拝読させていただきました、、、ありがとうございます。

「18歳で単身渡米」そんな自分に触れていただいていますが、確かにその響き、たいそう立派な響きで!笑

私、実際には渡米を決意したのが18歳、そして渡米したのが19歳でしたが、何しろ英会話も音楽も未熟すぎる19歳。(今思えばそれは当たり前かもしれませんが。)

渡米と同時に寮生活がスタートする中、現地での手続きを全て英語で行う必要があり、生活面に取り組むだけでも精一杯。。。汗

基本的な音楽の知識の教科書である「楽典」は少し学んでから行ったものの、まだまだ浅い中「新たな知識を英語の授業で学ぶ」というとてつもないハードルにやられていた日々。

やはり“若さ故の怖いもの知らずな行動力” によって渡米からの数年間を生き抜く事ができたのだと思います。(身近な方々の助言・協力にも支えられながら。。。)

1999年、当時の自分は割とダボダボのオーバーサイズを身にまとうHipHopな風貌、確か金髪坊主だったはず。(←そういえば自分で髪色を脱色してたんだ!ふと思い出す、、、)

当時既に自分の作っていた作品・音楽には自信は持っていたものの、急に「音楽大学」というあまりにも本格的な舞台へ足を踏み入れる事を決意し、

どこよりもプロフェッショナルへの道標のヒントをもらえそうな学校を選択し、バークリー音楽院へ入学。

世界中から集まるミュージシャンのハイレベルな世界にダイビング、なかなかの覚悟でした。

なんだろう、生活的にも音楽的にも、言語の分からない世界へ突如迷い込んだ子羊のような、、、そんな気持ちで送っていた日々だったかと思います。

「19歳で単身渡米」そのたいそう立派な響きからは想像つかないような、泣きべそをかいた子羊だった記憶です。爆

それで、思い出したのですが、近年YouTubeを色々見ている中で、とあるドキュメンタリー映像に遭遇し、45分間観入ってしまったんですね。

小曽根真さんのドキュメンタリー

素晴らしいミュージシャンを数々輩出しているバークリー音楽院出身代表とも言える、世界的に活躍し続けているピアニスト「小曽根真さん」のドキュメンタリーです。

映像の中の小曽根さん、実に若い!なんと22歳!というと今から38年前!?

「22歳 小曽根真 アメリカのジャズ界に登場した若き天才ピアニスト」

1983年の模様、このドキュメンタリーではバークリー音楽院を首席で卒業された直後の様子、

トップアーティストの登竜門とされるニューヨークのカーネギーホールへ、ソロピアノで出演する模様などをカメラが追っています。

これが一流の、音楽エリートの学生時代、プロになる瞬間。

こう、映画を見ているかのような錯覚になるくらい、衝撃の数々がほど走る。。。

~映像よりエピソードを抜粋~

「外国人が海外で仕事をする為のワーキングビザを獲得した小曽根真はカナダのトロントから、恋人の待つボストンへ帰ってきた・・・」

(なんと空港で再会しハグをする・・・キュートな外国人恋人がいる!!)

「バークリー教授フィルウィルソンは、マコトへアメリカでの初仕事を用意していた・・・」

(22歳の小曽根さん、現地ジャズクラブで初仕事、演奏している。。。)

「マコトがバークリーで注目を集めるきっかけになったのは、アメリカのジャズ専門誌へ送ったDUOの演奏が最優秀パフォーマンス賞を受賞した事だった。マコトの驚異的なテクニックは、アメリカのジャズシーンへ、静かなセンセーションを巻き起こしつつあった・・・」

(在学中から注目を集められる存在、、さすがである。。。)

「バークリーを卒業したマコトを待っていたのは、ニューヨークのカーネギーホールでのソロピアノコンサートだ。22歳でカーネギーのステージに立ち、アメリカのジャズシーンにデビューするという、またとない幸運を手に、マコトは今日ニューヨークへ向かう・・・」

(卒業と同時にカーネギーホールでソロピアノライブ!驚異的な展開だ!!!)

「恋人に一旦別れを告げ、ボストンからカーネギーホールのあるニューヨークまで車を走らせる22歳の小曽根さん・・・」

(恋人との挨拶は”キッス”だ!欧米だ!カーネギーでの再会を告げ・・・車移動・・・カッコよすぎる。。。映画かっ!!!汗)

「バークリーの卒業生で全米・世界のボピュラー界を動かす名アレンジャー”クインシージョーンズ”に名誉博士号が送られる事になった。そこで卒業演奏会はクインシージョーンズの曲でプログラムが組まれている。その中で卒業生代表として小曽根真が抜擢され・・・」小曽根真のライブを見たクインシージョーンズのコメント「信じられない、とても感動しました、あんなに才能のある若者は初めてです。想像力、フィーリング、テクニック、音楽家に必要な3拍子が揃っている。」

(なんと!!!クインシージョーンズから直々に絶賛される小曽根さん!!!汗)

「彼の人生の先達であり、ジャズのライバルでもある父がカーネギーホールの演奏を聴きに、神戸からやってくる・・・」

(小曽根さんの父、49歳の実さん、やはりお洒落で素敵!ピアノも激ウマ!親子でセッションし、同じ価値観を共有できるなんて、なんとも幸せに満ち溢れた絵だ。。。)

「マコトが編成するビッグバンド、グラミー賞にノミネートされており・・・」

(在学中からビッグバンドを指揮していたとは!そしてなんとも素敵なオリジナルビッグバンド曲・・・♫)

「カーネギーホールでのソロピアノコンサートの翌日、ライブの模様、快挙が現地の新聞で報じられる・・・」

(すごすぎる・・・圧倒的すぎる・・・)

60歳記念ソロ・ピアノ・アルバム「OZONE  60」

しかもなんと小曽根さんも同じく「19歳で単身渡米」だという事実。

音楽エリートの単身渡米とは、ここまで凄まじいものなのか!!!自分とのギャップに、もう開いた口が塞がらない、、、爆

これがいわゆる「19歳で単身渡米」というカッコ良い響きのもので、まるで映画みたいな人生である。。。

この頃の22歳の小曽根さんの、よりスウィングなプレイスタイルはオスカーピーターソンの香りがするし、

何よりその年齢でここまで卓越した技術を備え、当時から無敵だったんだろう、と納得。

ジャズピアニストでありハモンドオルガン奏者の父を持ち、父の志を息子が受け継ぐように、世界の舞台へ羽ばたき、それを見守る父。

素敵な親子の関係性に、もう”憧れ”しか感じない。。。

そんな「19歳で単身渡米」した小曽根さんは2021年還暦を迎えられ、60歳記念ソロ・ピアノ・アルバム「OZONE  60」を今年3月3日にリリースした。

ジャズピアニストに留まる事なくクラッシックピアニストとしてオーケストラとの共演も長年数多く行ってきた小曽根さんがリリースした今作は、クラシックとジャズの両方を味わえる2枚組である。

本日の音楽紹介~「OZONE  60」アルバム収録楽曲~

CD 1 – CLASSICS + IMPROMPTU

1 ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調より第2楽章 / Ravel: Piano Concerto in G Major, M. 83: 2. Adagio assai

2 ディパーチャー / Departure

3 モーツァルト:小さなジグ K.574 ト長調 / Mozart: Eine kleine Gigue in G Major, K.574

4 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番「戦争ソナタ」 第3楽章 Op.83 / Prokofiev: Piano Sonata No.7 in B-Flat Major, Op. 83: 3. Precipitato

5 モシュコフスキ:20の小練習曲 第8番 Op.91-8 ロ短調 / Moszkowski: 20 Petit Etudes, Op.91: No. 8 in B Minor: Moderato

6 カンヴァセーションズ・ウィズ・マイセルフ~パート1 / Conversations With Myself – Part 1

7 カンヴァセーションズ・ウィズ・マイセルフ~パート2 / Conversations With Myself – Part 2

8 モシュコフスキ:20の小練習曲 第20番 Op.91-20 変ト長調 / Moszkowski: 20 Petit Etudes, Op.91: No. 20 in G-Flat Major: Allegro Moderato

CD 2 – SONGS

1 ガッタ・ビー・ハッピー / Gotta Be Happy

2 ニード・トゥ・ウォーク / Need To Walk

3 ザ・パズル / The Puzzle

4 リッスン… / Listen…

5 ストラッティン・イン・キタノ / Struttin’ In Kitano

6 オールウェイズ・トゥゲザー / Always Together

7 オベレク / O’berek

8 フォー・サムワン / For Someone

全国ソロツアー開催中

クラシックホール “水戸芸術館” でスタインウェイとヤマハの2台のグランドピアノを曲に合わせ弾き分け、クラッシック&ジャズを表現するという、なんとも興味深いコンセプト記念アルバムである。そして、コロナ禍でありながらも、3月25日東京サントリーホールを皮切りに、1年かけて全国ソロツアーを開催している最中だという。

小曽根さん流に演奏する難易度の高いクラッシック名曲も聞き応え有り。

このピアノ1本で作り出す見事なグルーブが22歳のカーネギーホールから始まっていた事を考えると、

そこから38年に渡って積み上げた音なのだ!とさらに進化と深みに触れる事ができる。

ここで、そんな小曽根さんのプロフィール、重点を抜粋。

プロフィール

1961年神戸市生まれ。父の影響で5歳からクラシックピアノを習うも、バイエルの練習に飽き、ハモンドオルガンに転向し天才奏者と呼ばれる。

12歳の時にオスカーピーターソンのソロピアノを聴き、ジャズピアノを始める決意をする。1976年、15歳でプロデビュー。

1980年に渡米、ボストンのバークリー音楽大学に入学。

1983年バークリー音楽大学のジャズ作・編曲科を首席で卒業後、同年6月にニューヨークのカーネギーホールにてソロピアノ・リサイタルを開く。このとき、ちょうど見物にきていたクインシー・ジョーンズに見出されて米CBSと日本人初のレコード専属契約を結び、アルバム『OZONE』にて全世界デビュー。グラミー賞受賞アーティスト、ゲイリー・バートン(ヴィブラフォン奏者)とワールドツアーを行う。この後、CBSから3枚のアルバムをリリース。

1990年に帰国し、ビクターへ移籍、3枚のアルバムをリリース。

1994年、ユニバーサルミュージック/ヴァーヴ・レコードへ移籍。

1996年「MAKOTO OZONE TRIO」を結成。1999年、ニューヨークへ再移住。

2000年「MAKOTO OZONE TRIO」の新ベーシストにJames Genusを迎える。同年、初のベスト・アルバム『wizard of OZONE~小曽根真ベスト・セレクション』をリリースしベストセラーとなる。

2003年ゲイリーバートンとのデュオ・アルバム『ヴァーチュオーシ』が第45回グラミー賞『ベスト・クラシカル・クロスオーバー・アルバム』部門ノミネート。

7月スタンダード・ジャズに積極的に取り組んだ意欲作『Reborn/リボーン』をリリース。9月、母校バークリー音楽大学より『名誉博士号』を授与される。

2004年3月、伊藤君子のレコーディングのために、エリック宮城らと共にビッグバンド「No Name Horses」を結成。

2006年1月18日、No Name Horsesとしては初のアルバム『No Name Horses』をリリース。

2012年、No Name Horsesを率いてシンガポールのモザイク・ミュージック・フェスティバルに参加。 パリ(シャンゼリゼ劇場)とスペインにてトマス・ツェートマイアー指揮パリ室内管弦楽団と共演(モー ツァルト:ピアノ協奏曲「ジュノム」)。

J-WAVE、FM802を始め全国5局ネットのラジオ番組『ASAHI BEER OZ MEETS JAZZ』にてパーソナリティーを務める。

ジャズピアニストとしてデビューしたものの、現在でもハモンドオルガンを演奏することがあり、父親との共演も多い。

近年はジャズの世界を越え、クラシック界で井上道義指揮する新日本フィルハーモニー交響楽団と、尾高忠明指揮する札幌交響楽団と、大植英次指揮する演奏する等、活動域を拡げている。

2016年、チックコリアとのデュオで日本ツアーを成功させる。

2020年3月に還暦を迎えるにあたり、完全ソロ・ピアノ作品としては13年ぶりとなるアルバム『OZONE 60』を3月3日にリリース。

また、新作のリリースに合わせ、近年入手困難だった1994年の『ブレイクアウト』から2010年の『ロード・トゥ・ショパン』までのオリジナル・アルバム15タイトルが、

高音質SHM-CD仕様でプライスダウン再発売。

『Good morning’ Good rollin’』

1980年に渡米し、ボストンのバークリー音楽大学に入学。

自分の生まれた年がここだったとは。。。

そしてそんな憧れの小曽根さんと、まさか曲作りを一緒にできる日が来るとは・・・夢にも思わなかった展開が起こった2005年の出来事。

当時SOFFetとして活動する中で、佐藤竹善さんから単独ライブへのお誘いをいただいた後、実現した竹善さんとのコラボレーションでの曲作り。

実力派シンガーとして名高い佐藤竹善さんからの有難くも嬉しいご縁の中で、編曲について話す中で、

竹善さんが既に共演されていた1人である“小曽根真さん”にお願いする提案をすると、快く実現へと導いてくださったのだ!

さらには、このプロフィールにもある、小曽根真率いるNo Name Horsesとして参加を果たす!!!という思いもよらぬ豪華すぎるビッグバンド参加が実現!!!

エリック宮城さんを始めとする、日本屈指の大御所プレイヤーから構成されるビッグバンドNo Name Horsesである。

竹善さんが土台となるサビメロディーデモも制作してくださり、そこへラップパートと思いつく限りのアレンジ・ビートトラックを構築したデモを制作、

最終的にホーンセクションとピアノが“小曽根真率いるNo Name Horses”の素晴らしい生音に差し代わり!!!

さらに小曽根真さんがシンセベースを打ち込みしてくださる、という形で完成した「Good morning’ Good rollin’」。

過去SOFFet楽曲の中でもJazzy度の一番高い誇るべき1曲となっております。

佐藤竹善&SOFFet with NO NAME Horses Directed by Makoto Ozoneという竹善さんサイドからのシングルトラックとしてのリリース。

レコーディングでは小曽根さん&No Name Horses皆さんとご一緒できなかったものの、後日小曽根さんブルーノート公演ではライブを拝見する事ができ、

アンコール時には小曽根さんMCの中、佐藤竹善&SOFFet!!とお客皆さんへ紹介していただける!というサプライズを頂きました。

その後、ご挨拶させていただきつつ持参したCD『Reborn(リボーン)/小曽根真」にいただいたサイン、今も大切に数少ないCDシリーズ手元にございます。

小曽根さんの還暦を遠くからお祝いすると共に、素晴らしい功績を崇めながら、努力を積み重ねる姿を僕も見習っていきたいと思います。

ちなみに、No Name Horses皆さんとはMusic Video撮影時にお会いして共演する事ができ、大御所皆さんと共にパジャマ姿で演じる衝撃の光景が繰り広げられております。

最高に楽しい絵が!!!さらにレコーディング風景の小曽根さんもVideoに登場してくださっています。

この機会に見ていただきたいところですが、一般公開はおそらくされていません。

いつか公開できるタイミングが来た時は・・・お知らせします。笑

本日は西内さんのバトンを受けるように「19歳で単身渡米」から膨らんだお話と音楽紹介をお届けしました。

YoYo(SOFFet)