音楽紹介 [31] 『Night Train』

こんにちわ!タシナム音楽紹介!出番です、SOFFetのYoYoです。

実は自分がピアノを弾くライブではYoYo the “Pianoman”という、もう一つの名義を持ち合わせております。前回タシナム音楽紹介を担当されたサックスのJAWさんと共に「JAW meets Pianoman」というコラボ企画を行っており、近々12月9日このコラボで札幌クリスマス・ワンマンライブ開催をする件、告知にありましたが、12月は年に一度、ライブで札幌に伺える機会、という事で楽しみな月なのです。

そんなJAW meets Pianomanが最近レコーディングを行いました。サックスとピアノによるシンプルな編成でのクリスマス楽曲のレコーディング。毎年恒例としてクリスマスセッションを映像アップしていますが、そんな楽曲に加え他クリスマス曲をレコーディングし、ミニアルバムをいよいよ完成させる事ができました。出来立てほやほやのこのミニアルバム「Christmas Swing Jazz」を持って今回のライブツアーへ出かけます。

JAWさんの音楽紹介にもお話がありましたが、ミュージシャンにとってルーツだったり好みが被るというのは大事な事。楽曲はアレンジによっても大きく変わって聴こえる中、どういった作品に落とし込むのか!?を進めていく上で数々の意気投合を経て出来上がった今回のミニアルバム。曲として面白みを持たせるにはどうしたら良いのか!?作品として長く聴いて愛してもらうには!?アイディアこだわりは各所に注入され、自然と向かっていた共通の完成系でした。

そんなJAW meets Pianomanの”好み”はどこにあるのか!? ズバリ挙がってくるのが『Stan Getz / Oscar Peterson Trio』の「I Want To Be Happy」。好みがドン被りしたというお話がありましたが、まさしくソコ!今回掘り下げるのは、やはり自分がジャズピアノに魅了されるきっかけになったピアニスト、Oscar Petersonの名盤「Night Train」!!!

 

Night Train
 Oscar Peterson

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・(収録楽曲とプチ解説)・・・・・・・・・・・・・・

M1. Night Train

M2. C Jam Blues

M3. Georgia on My Mind

M4. Bags’ Groove

M5. Moten Swing

M6. Easy Does It

M7. Honey Dripper

M8. Things Ain’t What They Used to Be

M9. I Got It Bad (and That Ain’t Good)

M10. Band Call

M11. Hymn to Freedom

M12. Happy Go Lucky Local (A.K.A. Night Train) (alternate take)

M13. Volare

M14. My Heart Belongs to Daddy

M15. Moten Swing (rehearsal take)

M16. Now’s the Time

M17. This Could Be the Start of Something

1962年(piano)オスカー・ピーターソン(bass)レイ・ブラウン(drums)エド・シグペンというトリオでレコーディングされた名盤。

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Oscar Peterson 画像元: http://bit.ly/2AJRHDb

何を隠そう、自分にとってだけではなく沢山の音楽家、沢山の有名ジャズピアニストもオスカーピーターソンに大影響を受け、その道に進んだ方も多いのではないだろうか!?という偉大な、伝説のピアニスト。

西暦2000年、ボストンの音楽学校に通い始めた19歳の自分はジャズを探求。それまでクラッシックピアノを習っていた自分にとって音楽の解析、コード理論というのは取っ掛かりずらく、難しい理数系の勉強のようなもの。「ジャズを学びたい。」と一言で言っても音を聞けば聞くほど振り幅がある事を知り、一体ジャズとは何なのか!?近づいているようで遠ざかる状況にも陥っていたのだ。(アメリカにまで来ているのに。。。汗)

そんな中ベーシスト友達の家に行き、色々な音楽を聞かせてくれる中で出会ったのがこのアルバムであり、ピアニスト、オスカーピーターソン。どこを聴いても心地が良い、どこを聴いてもカッコイイ、一聴して心踊るピアノとの出会い。これが自分が探していたジャズだ!と。心から好きと思えるものとの出会い、急に毎日が晴天日和になるように景色が変わる!音楽の素晴らしさの体感だった。「まずは好きだと思ったピアニストをとことん聞き込むと良いよ!」と言った友達。オスカーピーターソンのピアノが日常の一部になった日だ。

Oscar Peterson 画像元: http://bit.ly/2ALp0pp

そしてこのアルバムのタイトルにもなっているのがDuke Ellington作曲の「Night Train」。多くのミュージシャンがカバーする歴史的1曲だが、たまたまこの曲を演奏するピアノに出会えた事も、違和感なく親しめる理由になっていたのであろう。大好きなあの映画のあのシーンで流れていた曲がコレだったから。(「Back to the Future」主人公マーティーがオーディションや、ダンスパーティーで演奏した曲だ。笑) あの曲がこの人のピアノでこう変わる!という感動を同時に覚えた事は、アレンジの重要さを肌で感じた事でもあり、今思うと大事なあの日の衝撃、だ。

M1、Night TrainからM2、C Jam Bluesへ。既にこれだけでオスカーの音が!ジャズが詰まっている!

スウィングするピアノ、アドリブとは思えないストーリー性のあるソロ、聴きやすく心地良く無駄の無いアレンジ、超絶なテクニック、ピアノを弾く表情、存在感、どこを切り取っても素晴らしいオスカーピーターソンは音楽を愛し続け、どこまでも高みを目指し続けた人だそう。だからこそ、この名盤『Night Train』に限らずどの作品を聴いても、それぞれに濃い内容が詰まっている!また他のどの曲を聴いても、どんな曲を演奏したとしてもオスカーのピアノだと分かる事は、本当の意味でのワン&オンリー”表現者”の証なのであろう。

Oscar Peterson 画像元: http://bit.ly/2zSXu9u

オスカーがこの世を去る前の最後の公演となった2004年来日公演。最初で最後、パフォーマンス姿をこの目で観れた事は心から嬉しかった。
音楽が「作品」となったようなオスカーの演奏楽曲。この世に残された、出会っていない作品に出会える事も今後の楽しみで、まだまだこれからオスカーに出会い影響を受け、道を切り開かれる人が沢山居ると思うと、、、これからも生き続ける伝説のピアニストだ。

さぁ名盤「Night Train/Oscar Peterson」を是非!

YoYo(SOFFet)

 

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