初めて台湾旅行に行かれる方の多くは台北市内に滞在されることが多いのではないでしょうか?

台湾の人々は親切で、夜市で食べた屋台料理も美味しかった。もう一度台湾に行きたい! という台湾リピーターにおすすめしたいのが、今回ご紹介する台中市。台北から新幹線(台湾高鉄)で40分で行ける街です。

 

臺中國家歌劇院~2014年に完成したオペラハウス

春水堂大墩店 『珍珠奶茶』製造体験

草悟道~台中市民の憩いの公園

范特喜文創聚落 綠光計畫~台湾作家が集うアーティスト村

陳允宝泉草悟道店 ~創業100年を越える老舗の菓子店

宮原眼科/第四信用合作社~台中といえば。有名アイスクリーム店

道禾六藝文化館/台中刑務所演武場~日本統治時代の演武場

 

 今回は、『中台灣好玩卡』のキャンペーン取材に同行させていただきました。

『中台灣好玩卡』というのは、台湾中部(苗栗県, 台中市, 彰化県, 南投県, 雲林県, 嘉義市, 嘉義県) 7つの市と県の観光施設や店舗で割引きサービスが受けられるICカードです。高雄地下鉄と台北地下鉄でも利用できる『Ipass』という交通ICカード機能も搭載しています。

公式サイト https://ct-pass.com にアクセスして、オンライン決済後、滞在予定ホテルに郵送か、台湾中部のコンビニ『OK-MART』で購入可能だそうです。
 

 詳細は『中台灣好玩卡』公式サイトをご覧ください。
 
 http://www.funcard.tw/japan.asp
 (日本語ページ)

 

 

 今回は台北から台中まで、バスでの移動となりました。週末は早朝でも若干の渋滞があるため、所要時間は少し長めの1時間30分。最初に訪れたのは、『臺中國家歌劇院』です。

 

 

臺中國家歌劇院

 公式サイト http://jp.npac-ntt.org/index  (日本語)

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 世界的に有名な日本人建築家・伊東豊雄氏の設計により作られた『臺中國家歌劇院』は、これまでの建築の概念を覆し、曲面パネルと、そこに流し込まれたコンクリートで作られているそうです。なんと、1本の柱も梁も使われていないという巨大建築です。2014 年末に完成したばかり。台中の新名所として注目を集めています。

 

 屋内はまるで巨大な蟻塚のよう。天井に開いた採光窓と間接照明がとても落ち着きます。まるで、柔らかな光に包まれた大きな洞窟に迷い込んだような感覚です。壁と床がなだらかな曲線を描く一角に設えられた店舗は、子供の頃に隠れて遊んた遊具や土管を思い出させてくれます。

 全てが柔らかな曲線に包まれた世界。建築に特別関心が無い方にこそ、ぜひ一度体験していただきたい空間です。

 
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 劇場の屋上は花畑になっていて、開放的な空間が広がっています。

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 場内には2007席の大劇場のほか、3つの専用劇場と多目的スペース、野外劇場などがあり、連日、国内外のアーティストが、歌劇・演劇・伝統劇・舞踏・映像上映・コンサートなどを行っています。台湾中部の芸術が集まる壮麗なオペラホールです。台中を訪れる際は是非、お立ち寄りください。

 

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春水堂』 大墩店
 
  公式サイト: http://chunshuitang.com.tw/

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『春水堂』大墩店 画像元:https://goo.gl/GuSkVR

 

 台北の日系百貨店を始め、台湾各地に出店している『春水堂』は、台中発祥のお店。

 83年に台湾で初めてシェイカーを使って作った『泡沫紅茶』がヒットして、台湾に冷茶ブームを起こしました。85年に店名を『春水堂』とし、87年に現春水堂商品部副社長・林秀慧氏が台湾で初めて『珍珠奶茶』(タピオカミルクティー)を発明。以来、タピオカミルクティーは台湾を代表する飲み物となりました。

 

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春水堂の珍珠奶茶 画像元:https://goo.gl/DA7GWY

 

 『春水堂』店内は落ち着いた照明と古きよき台湾を髣髴とさせる、味わい深い調度に囲まれています。お茶器やお茶を入れる卓まで、全てが洗練された美しさで統一されています。

 

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 春水堂大墩店では、『珍珠奶茶』製造体験ができる(※中台湾好玩卡で割引あり)ということで、今回、参加してみました!道具と材料を前に、春水堂の歴史や『珍珠奶茶』発明当時のお話、『珍珠奶茶』の作り方など、お店の方が説明してくれます。

 

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 ずらりと並んだ材料と道具にワクワクします。タピオカは絶妙な加減で茹で上げられたものが用意されているので、あとはお店の方の指示通りにカップに入れてシェイクすれば出来上がりです。実際にどんな材料を使って作られているのか、実物を見ながら、時々、人目を盗んで材料を味見したりして確認できるというのは、とても楽しい体験でした。

 

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春水堂で使われているタピオカは、乾燥させたものではなく、生のタピオカを使っているそうです。それで、独特の弾力と風味があるのですね。(上左の写真、左が乾燥タピオカ、右が春水堂の生タピオカです。) 紅茶は香りがしっかりしていて、味見すると思わず『苦い!』とつぶやいてしまうくらいの濃さでした。しかし出来上がってみると、この濃さだからこそ、ミルクと混せ、しっかり泡立てた後でもなお豊かな紅茶の香りを感じさせてくれる絶妙のバランスなのだということがわかりました。

 

春水堂には、飲み物だけでなく、軽食の麺料理やお茶受けの点心なども豊富に取り揃えられています。

街中を歩き疲れたら、落ち着いた店内で小腹を満たし、創始店のミルクティーを味わってみてください。

 

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(左) 功夫麵 と (右) 珍珠燒賣。麺料理や点心、定食なども召し上がれます。

 

 

 草悟道   

 地図 http://www.youcaowu.com/map.php (中国語)

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 台中の人気観光スポット『草悟道』に到着しました。こちらは『國立自然科學博物館』から『国立台湾美術館』を結ぶベルト状の細長い公園で、国立図書館が隣接していたり、毎年10月に台中ジャズフェスティバルが開かれる『市民広場』などがあったりと、台中市民の文化交流や憩いの場として利用されています。

 週末にはフリーマーケットやイベント出店もある、いつも活気溢れる緑の空間です。

 

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 以前、2015年の台中ジャズフェスティバル視察 に来た時は、この公園の広場が見渡す限り人で埋まっている光景に驚きました。ジャズフェスティバルのお客様は地元の方も多く『家で晩御飯を食べるくらいなら、イベント会場で食べよう!』とばかりに、自宅からお夕飯を丸ごと持ち込んで宴会気分のご家族がたくさん。その活気に、わくわくしたのを覚えています。

 

 2016年に14回目を迎えた台中ジャズフェスティバルは、アジアでも有数の規模と歴史を誇るジャズフェスティバルで、世界各国、そして日本からも有名ジャズミュージシャンが参加するイベントです。

 異国の旅先でJazzフェスを楽しむ。というのも素敵な想い出になるのでは。

 

台中Jazz フェスティバル 《公式サイト

 

 

 

 

 

 范特喜文創聚落 綠光計畫  

 公式サイト:http://www.fantasystory.com.tw/

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 続いては、先ほどの『草悟道』から西へ徒歩3分の距離にある『范特喜(Fantasy)文創聚落』という台湾の芸術家が集まるエリアを訪れました。

 こちらには古い宿舎をリノベーションしてオープンしたアーティスト村『綠光計畫』があり、写真ギャラリーやカフェが点在しています。台中も大型マンションやビル建設の盛んな地域がありますが、こちらは下町の風情をそのままに、昔ながらの生活と緑を融合させてアートに発展させるというコンセプトで人気を集めています。

 

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 宿舎の1階だけでなく、2階にも小さなお店が入ってます。器や傘などの生活雑貨があったり、手芸用品やミニチュア専門店があったり、書店があったり。まるで秘密基地のように入り組んでいます。

 ところどころに台湾の古い住宅の跡を見ることもできるので、ゆっくり時間をかけて楽しんでみてください。

 

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 宿舎入口は天井が取り払われており、青空の下、台湾伝統のタイル床を見ることができます。驚くのは、元々は中庭だった場所に生えている樹が生長して建物と融合していること。自然と人の生活がゆるやかに交差している様子が、まさに南の国という感じです。

 

 

 

 

陳允宝泉 草悟道店 

公式サイト http://www.chenyunpaochuan.com.tw/public/ 

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 次に訪れたのは、同じく『范特喜(Fantasy)文創聚落』にお店を構える老舗の菓子店『陳允宝泉』です。1908年初代の陳允さんが台中で創業。100年続く名店です。2代目、4代目は日本で修行をするなど、日本との縁が深いお店とあって、店内はどこか日本人に親しみやすい雰囲気です。

 

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『和菓子と中華菓子の技術の粋を集めて最高の銘菓を作る』というコンセプトで作られたお菓子は繊細で、洗練されたおいしさ。このお店の太陽餅はとても有名で、国内外からいらした多くのお客様がお土産に買っていかれるそうです。もちろん、その他のお菓子の種類も豊富。色々と試食させていただいたのですが、どれもこれも美味しくて、ついついたくさん買ってしまいそうになります。

 

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 2階には喫茶スペースも設けられており、美味しいお茶とお菓子が楽しめます。和菓子は70元から。

 余談ですが、商品見本として並べられた和菓子の中に『皮蛋』の文字を発見しました。ピータンを使った和菓子? 残念ながら今回は試すことができなかったのですが、どんなお味なんでしょう。気になります。

 なんと畳敷きの小上がりもありますので、ちょっとお靴を脱いでくつろげる、日本人にはありがたいスペースです

 

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 宮原眼科/第四信用合作社 

 公式サイト: http://www.miyahara.com.tw/ (中国語)

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 さて、台中といえば『宮原眼科』というほど、近年人気のお店。とはいってもこちらは実際の病院ではなく、元眼科をリノベーションしたカフェ兼お菓子屋さんです。

『宮原眼科』は、一丁向こうに台中駅が見えるという立地にあり、大きな廃墟ビルと川を隔てて向かい合う、赤レンガ造りのアンティークな建物です。1927年に建築された当時のままに再現された、歴史を感じさせる骨太のつくりになっています。

 店内には、小さな薬棚のようなカウンターと、背の高い硝子のショーケースが並んでいます。全ての調度がおしゃれに現代アレンジされたアンティーク調に統一されていて、商品のパッケージもとても美しく、連日多くのお客様がおみやげを求めていらっしゃるお店です。

 

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 台湾で一番有名なお菓子『パイナップルケーキ』業界。その競争を勝ち抜いて有名になった製菓会社『日の出グループ』がデザイン・経営を行っているこちらのお店。自慢のパイナップルケーキはもちろん、量り売りのチョコレートやクッキーも高級志向で品揃え豊富です。

 台湾のミルクヌガー『牛軋糖』は定番のナッツ入りのほかに、『情人果』と呼ばれる青いマンゴーの砂糖漬けなど、台湾のドライフルーツが入ったものもあり、他店にはないオリジナル商品もたくさんあります。

 中でもカフェで提供されているアイスクリームは、一食の価値ありの名物です。

 

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宮原眼科 アイスクリーム 画像元:http://www.miyahara.com.tw/

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宮原眼科 アイスクリーム 画像元:http://www.miyahara.com.tw/

 

 

 実は今回、台湾南部出身のお友達から「宮原眼科に行ったら、アイスクリーム食べてきてね! ちょっと高いけど美味しいから!」と言われていたのですが、残念。今回はその願いは叶わず、後ろ髪引かれる思いでお店を後にしました。

 次回こそはぜひ、味わってみたいと思います。

 ちなみに、台湾人からもおすすめされる宮原眼科の名物アイスクリームは、現地のフルーツやお茶を使って作られる自然派アイスクリームとのこと。食べたかった…。 

 

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台中市第四信用合作社。飾りつけはクリスマスバージョンです。

 

 宮原眼科から台中駅に背を向けて川を渡り200mほどの距離に、同じ『日の出グループ』が経営する『第四信用合作社』があります。こちらも1966年に建設された銀行をリノベーションして作られたカフェで、宮原眼科に比べると、若干カジュアルな雰囲気です。コンセプトはずばり『銀行』ということで、当時使われていた金庫やカウンターなどを利用して、銀行の雰囲気を再現したお店作りをしています。

 

 こちらの床、何か光ってる? と思ったら、なんと一元玉がたくさん埋め込んでありました。さすが銀行。

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 先に見学した宮原眼科はおみやげ販売がメインのように感じましたが、こちらのお店は入ってすぐ広々としたカフェスペースが目に付きます。この日は週末ということもあって、多くの家族連れでにぎわっていました。

 

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 道禾六藝文化館/台中刑務所演武場 
 公式サイトhttp://www.sixarts.org.tw/ (中国語)

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 最後に訪れましたのは、日本統治時代に立てられた演武場。道禾六藝文化館は1937年(昭和12年)に建てられ、2004年に台中文化局から歴史建築物として登録されました。日本の武士道精神を台湾全土に広めようと建てられた武術場で、元々は『武徳殿』と呼ばれていたそうです。2006年11月に火災に遭い、演武場および刑務官の宿舎として使用されていた木造建築は全焼しました。2010年にようやく修復が完了し現在の姿となっています。

 

 庭には大きなガジュマルの樹がそびえ、細竹が風に揺れていました。草木と木造建築、そして石が調和した美しい庭です。私が訪れたのは日暮れから夜の時間帯でしたので、建物から優しい明かりが漏れていました。

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 こちらには演武場のほか、弓道場や屋外の舞台など、様々な施設が集まっています。

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 そのうちの一つ『心行館』という建物は、茶道、書道、古琴、水墨、切り絵などの各種教室に利用されているそうです。こちらでは一般のお客様もお茶が楽しめますので、夕闇を眺めながら、歴史に思いを馳せつつ、一休みすることもできます。


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 台中取材を終えて

 人と自然のバランスを感じられること。そして、歴史と近代化の調和を味わえること。それが、今回訪れて感じた、台中の魅力でした。

もちろん、台北にも洗練された観光スポットや歴史ある名所が存在します。でも、台中には、台北とは一味違うものがありました。それは、ゆったりとした時間の流れです。モノもヒトもクルマも多く、刺激的な台北とはちょっぴり違う、味わい深い台湾のくらし。それが、台中にはありました。

台湾の人達はとても親切です。台北滞在でそれを実感された方も多いと思います。そして、さらに南にいけば行くほど人々は人懐っこくなり、より深いつながりをつくることができる。それも台中以南への旅の楽しみになるのではないでしょうか。 

台湾リピーターの皆様。次回は是非、台中へどうぞ。

 

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台中の鉄道駅 画像元:https://goo.gl/XUKJva

 

(2016年12月 取材)

 

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