気ままにマレーシア!(14)マレーシアのスパイス文化

こんにちは!今回の「気ままにマレーシア」は、スパイスをテーマにお届けします。マレーシア滞在中、やはりスパイスの国だな…というくらい見かけることが多かったのです。ナツメグジュースなど、日本では馴染みがないスパイスの利用ですよね。

スパイスたくさんの素敵な

赤道直下の熱帯に位置するマレーシアは、その気候と風土を活かし、古くから多種多様なスパイスの生産地として知られてきました。古代から香辛料貿易の中継地として繁栄したこの国には、マレー系、中国系、インド系をはじめとする多民族の食文化が融合し、それぞれの伝統とスパイス使いが重なり合って独特の料理文化を築いています。

マレーシアで代表的に栽培されているスパイスとしては、ターメリック(ウコン)、ガランガル(南姜)、レモングラス(香茅)、カレーリーフ、パンダンリーフなどが挙げられます。特にターメリックやガランガルは、料理に鮮やかな色と深い香りを加えるだけでなく、薬効があることでも知られており、地元の家庭では常備されているスパイスです。日本のスーパーで香辛料を買うと原産地がマレーシアということも。

マレーシア料理に欠かせない香辛料としては、チリ(唐辛子)、コリアンダーシード、クミン、フェンネルシード、シナモン、クローブ、スターアニスなどがよく使われます。これらのスパイスは、単独で使用されるというよりも、数種類を組み合わせて炒めたり煮込んだりすることで、複雑で奥行きのある風味を生み出します。あの独特な風合いはこうした香辛料がなせる技ということですね。

見るだけで楽しめるスパイスたち

写真は、ペナンのシャングリラホテル・ラササヤン。「スパイスマーケットカフェ」というレストランの入口付近にスパイスがいっぱい並んでいて、見ているだけでもワクワクしました。

パンダンリーフの香り

パンダンリーフは「東洋のバニラ」とも呼ばれ、東南アジア各国で親しまれている香りの葉。細長く鮮やかな緑色の葉は、料理に自然な香りづけをするために使われます。マレーシアでは、このバンダンリーフが甘い料理にも、しょっぱい料理にも広く使われていることが特徴です。

たとえば、マレーシアの伝統的なスイーツ「クエ・スリムカ(Kuih Seri Muka)」や「クエ・タラム」などには、バンダンリーフで抽出した緑色のエキスが使われます。自然な緑色と香りがスイーツに深みを加え、見た目にも美しい仕上がりになります。ゼリー菓子やココナッツミルクを使ったプリンなどでもバンダンの香りは欠かせません。

一方で、米料理にも活用されます。たとえば「ナシレマッ(Nasi Lemak)」では、ココナッツミルクで炊いたご飯と一緒にバンダンリーフを加えることで、炊きあがりにふんわりと甘い香りが広がります。バンダンの葉はそのまま食べるわけではなく、香りづけの役割として使われ、取り除いてから提供されます。

昔、おじさんの車の匂いがなぜかパンダンリーフで…。それ以来、個人的にはそのおじさんを思い出す香りになっています。

そんなバンダンリーフ、マレーシアに立ち寄ったら、どのようなものか香りを楽しんでみてください。