女優・歌手。声を使って自分を表現していきたい
― 仕事と遊びの関係についてお伺いいたします。音楽をお仕事にされている方は、遊び、趣味として音楽を楽しむということは成り立ちますか?
優香「私、あんまり境目が無くて、ここから仕事の音楽、ここから趣味の音楽、っていうのはないですね」
― 特別な線引きをせず、音楽としてただ平等に扱うという感じでしょうか?
優香「唯一、意識の中で違うのは仕事の音楽には責任が生まれるということ。現実的な話、チケットを買っていただいて、時間とお金を費やして聞きに来てくださる方々に音楽を提供するっていう責任があります。そこだけは自分の中できちんとしないといけないポイントですね。自分の中の楽しみとか、音楽の認識というのは、境目はないです」
― 仕事の音楽も趣味の音楽も、平等に楽しんでいらっしゃるんですね。
優香「私はミュージカル出身なので、すごく高い音まで地声で歌うような歌も好きですし、Lowland Jazzのように『ジャズの敷居を低くする』っていうコンセプトには私はすごく共感しています。ジャズだから、クラシックだから難しいじゃなくて、頭で理解しなくていいんだよ。聞いて楽しかったら、なんでもいいんだ。って思っています」
優香「私にとって、音楽へのプロ意識っていうのは、誰か聞いてくださる方への責任感を持てれば、十分だと思っています」
― 今後の夢と目標を教えてください。
優香「音楽に限らず、自分の声を通じて、何かを伝えていきたいと思っています。私の人間性や人となりを含めて音楽を聴いていただけたらな!って思うところがあります。私の人間性と言葉で半分、音楽が半分。その両方に責任をもって100%を目指していきたいです。そのどちらにも共通するのが『声』なので、ステージに立つにしても、スクリーンに出るにしても、自分の声を使って、表現をしていきたいな。と思っています」
― 声というのは、その人の身体から出るものですから、生き方が出ますよね。優香さんのフアンが多いのは、そういうことも関係しているのでしょうね。声の中に優香さんが持つ明るさとか、好奇心とか、努力家なところが声に表れているから、惹きつけられるんだと思います。近々のご予定を教えていただけますか?
優香「はい。8月9日にコンサートを企画しています」
― 次のコンサートでは、優香さんの弟、賢治さんの絵画展も同時に開催されるんですよね。賢治さんのことをご紹介いただけますか?
優香「弟は先天性の病気で、そのままだと15歳くらいで亡くなると医師から宣告されていました。賢治の場合は、7歳の時に私からの骨髄移植を受けて、病気の進行を止めることができて、先月、25歳になりました。完全な健常な身体になるわけではないので、少しずつ不具合は出てきているんですが、彼なりの成長というのはしているんですよね」
― 賢治さんが絵を始められたのは、お幾つの時ですか?
優香「私が歌を始めたのと同じ年ですね。9歳の時です。余談なんですけど、それ以前は、私が絵を描くのが得意で、弟は歌うのが好きな子だったんですよね。家では『歩くジュークボックス』って呼んでました。今はそれがお互いに入れ替わっています。なんか、こう、どっちがどっちだったのかな。って(笑)」
― 移植をして、体が一部が入れ替わった時に、他にも何かが入れ替わったんでしょうか(笑)
優香「ね。そんな兄弟なんです。長く書き続けていて、絵の作風も変わってきています。何かができなくなっていくだけじゃなくて、どこかがずーっと成長しつづけていて、身体の変化はその中にある。という感じですね」
― 賢治さんのその作品と、優香さんのコンサートが一緒に楽しめるイベントなんですよね。楽しみです。
優香「絵の方も、新作ができてきて、今、母が額装しています。実は、10年前にも同じ企画を、同じ会場で行ったんです。今回、再び同じ会場で、10年分成長した私たちを見ていただけたら嬉しいです。
是非、皆様でお越しください」
― 今日はありがとうございました。
渡邊優香コンサート
『Angel of music The 10th』~絵画と音楽のハーモニー
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渡邊 優香 (わたなべ ゆうか)
1988年8月4日生まれ 江別出身 血液型O型17歳で英国 Arts Educational Schoolミュージカル
コースに入学、卒業後は英国 Royal Academy of Music
声楽科で学ぶ。帰国後は、ミス・ユニバース・ジャパン
2012北海道代表を務め、モデル、女優、ナレーターと
して幅広く活動。映像作品の英語翻訳・吹き替えも務める。
元気で明るい笑顔が印象的なソプラノ歌手。
(取材:2015年 6月)
ソプラノ歌手 渡邊 優香 インタビュー 【1】【2】【3】【4】