株式会社SEIKI 代表取締役 佐藤貴彦社長 インタビュー

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社会人野球、そして起業 ~お客様と共にオフィスをつくる、ということ

― 卒業後は、社会人野球の選手として会社に入られたんですね。

佐藤「高校の頃から会社の練習にも参加していましたから、高校三年生の11月くらいには、内定を頂いていました」

 

― 野球で入社された方も、日中は社内の勤務をされるのですか?

佐藤「もちろん、職業選手ではないので、昼は会社で働いて夜はナイターで練習します。会社は大手自動車メーカーだったのですが、事務職で入社させてもらって、なるべく野球が出来る環境を、と優遇してもらいました」


― そこから長くお勤めになったんですか?

佐藤「23歳の時に故障していた肘を手術しました。そこから1~2年、様子を見たんですけど、芳しくなくて。会社の方は7年勤めたのちに辞めました。野球を辞めたから、仕事も辞めなくてはいけないということではなかったんです。当時の上司がビシビシ仕事を教えてくれたので、それなりに仕事をしていましたし、期待もかけていただいていたんですけれど」

 

― お辞めになったきっかけをお聞きしてもよいですか?

佐藤「ずっと事務仕事をしてきて、外に出たい。と思いました。それで、辞めてすぐに営業職へ転職したんです」

 

― グラウンドで長く活躍した方が1日中事務所に座っているのは、確かに苦痛かもしれませんね。

佐藤「二日酔いの朝なんかは、すごくいいんですけどね(笑)」

 

― その後は営業職一本で来られたのですか?

佐藤「25~26歳から29歳くらいまで、いろいろな職種を経験しました」

 

― 印象に残っているお仕事はありますか?

佐藤「訪問販売が大変でしたね。掃除機を売っていたんですけど、ご家庭を訪問して、実演して。価格の高いものだったので、売るのに苦労しました。その間に建築作業員として働いたりしていました」

 

― 掃除機のセールスマンに建築作業員! 色々なお仕事を経験していらっしゃいますね。

佐藤「事務の経験があったので、その建築会社の事務員としても仕事をするようになって、役職にも付いたんですけど、ある方に勧められて、その後、33歳で起業しました」

 

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今もうっすらと手術跡が残る、佐藤社長の逞しい左腕。

― 佐藤社長の会社では、具体的にどのようなお仕事をしていらっしゃるのですか?

佐藤「大手オフィスメーカーが机や椅子を販売する、そのメーカーの下には現場管理する会社があるんです。そこと取引をしていて、事務所を作る仕事をしています」

 

― お仕事の流れとしては、例えば、新しく事務所を作りたい会社があったとして…、

佐藤「必要な机や椅子、棚などをメーカーの営業さんが販売します。それを新しい事務所に据付けしなくてはいけません。そのときの現場管理から施工までを担当するのがうちの会社の仕事です。オフィスの引越しや新設などでは、電気とか電話とか、いろんな業者さんが来て現場で作業するので、その調整をする仕事です」

 

― 現在、札幌では、移設するオフィスと新設するオフィス、どちらが多いですか?

佐藤「最近は、新設が多いですね。最近、大きい病院の新設があって、うちで中のものを据付けしています。事務所に限らず施工しています」

 

― 病院も事務所も、今は情報管理の面では注意が必要ですから、プロにお願いできると安心ですね。

佐藤「個人情報の管理が厳しくなってきてからは、仕事の仕方も変わってきました。ただ運べばよいという仕事ではなくて、保存する書類は必ず鍵のかかるところにお預かりする。個人情報の入っているものは、そうでないものと分けて管理します。」


― 従業員は何人いらっしゃいますか?

佐藤「僕ともう1人、そして事務員の3人です。もう1人はしっかりしていて、たぶん僕より現場こなせるんですよ(笑)」

 

― 起業した時からご一緒なんですか?

佐藤「ええ。社名の由来です。SEIKI という会社名は2人の名前を合わせてつけました。前の会社でも一緒に働いていて、起業するときに付いてきてくれたんです」

  

― 起業から今年で何年目ですか?

佐藤「10年目に入りました」

  

― この10年、いかがでしたか?

佐藤「もー、大変でした(笑)。もう1人がしっかりしているから、今は僕は遊ばせてもらっていますけど」

 

― 今のお仕事の大変さは、どういう部分にありますか?

佐藤「難しいのは、実際に現場に出て、周りの人達とコミュニケーションをとるのが難しいですね。引っ越してくるお客様、現場の施工業者、メーカーとの意思疎通が出来ないと、現場が上手くいかない」

 

― では、楽しさ、面白さは感じていらっしゃいますか?

佐藤「毎日現場で違う人に会えるのが楽しいです。仕事は基本同じでも、相手が違う。現場には図面があって、それに基づいて指示が来ます。運び込まれる物の移動を実際にどういう風に行うのかをお客様と相談して考えます。例えば、図面があっても、実際に置いてみるとお客様のイメージと違うということがある。そういうときには私達が専門知識を生かして応用するので、そこが面白くて大事なところ。この仕事の醍醐味でもあります」

  

― 実際の現場では、そういった応用力が問われるんですね。

佐藤「お互いに信頼関係が築けていれば、ある程度のことは現場で融通が利くんですよね。相手の話を良く聞いて、どういう風に提案するのが良いのか。その部分もよく考えます」

  

― 相手に伝わるように。

佐藤「お互いの意思が伝わらないといい仕事はできないですから」

 

― 毎回、違うお客様に接していかれるのは、大変ですね。

佐藤「だから楽しいんだと思います。僕は好きな仕事です」

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