有限会社ビィクトリーポーク 代表取締役 中岡 勝 インタビュー

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  趣味はさくらんぼ畑。 ~手ずから苗を植え、今や果樹園?

 

― 遊びの方のお話を聞かせてください。

中岡「遊びの話しはね、無いんだわ(笑)」

 

― お休みの時はどういう風にお過ごしですか?

中岡「趣味は畑です。さくらんぼの畑があって、雪解けと同時に色々やってますよ」

 

― 大きな畑ですか?

中岡「さくらんぼの木が100本くらいあるかな。毎年、1年に1回、お取引先とお客様を集めて、さくらんぼ狩りと焼肉パーティを開くんです。そのためだけに作ってる。後は鳥のエサ。隣がパークゴルフ場だから、いろんな人が来て『そのさくらんぼ、売ってよ!』っていうんですけど、ダメ。うちのは売らないの(笑)。今年も15本くらい新しい苗木を入れてね。自分の手で穴も掘るから」

 

― え、ご自身でスコップで掘るんですか?

中岡「そうだよ。趣味でやってるんだもん。機械なんか無いよ(笑)。電柱掘るような機械があればいいけどね。でも、それじゃあ面白くないじゃない」

 

― そうやって100本ですか!

中岡「うん。遊びだからね(笑)。35年くらいやっているから、お客さんも300人くらい来るかな」

 

― 規模が半端なく大きいですね! 100本の木を手入れするのも大変でしょう

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2016年のさくらんぼ畑の様子 (ビィクトリーポーク Faceboook より転載)

中岡「ノコ、ハサミ、薬かける機械、スピードスプレーヤーもありますよ。年に5~6回しか使わないけど(笑)。それやらないとダメなの。葉っぱが光合成できるように秋まで維持してやらないと、根まで栄養が行かなくなる。そうなると3年で木は死んでしまいます。親父が亡くなるまで、全部親父が畑をしていたんです。息子の方は豚ばっかりでね。それを引き継ぐまで、手当てさえすればおがる(生長する)もんだと思っていたんです。そのままにしていたら、秋口に葉っぱが落ちるのが早くなって、5~6年して木が枯れはじめた。葉っぱの維持をしてやらないといけないことに、ほとんどの木がダメになってから気がついてね。新しい木を植え始めました。今残っている親父の木は1本だけなんです。そんなこと思いながらね、畑に出ると若返りますよ(笑)」

 

 

― 素敵なご趣味ですね! お好きな書籍、映画、音楽がありましたら、教えていただけますか?

中岡「本はね、大学の頃からカントの弁証法が好きで、哲学書を読みました。弁証法では段階的に確固たるものを踏まえて目的を達成していくんですが、事業をするに於いても、目標到達までの組み立て方という部分はそこから学びました。それから先は仕事関係の本が多いですね。養豚以外の本で言えば、米沢藩の上杉鷹山に関する本は繰り返し読みました。組織運営や、達成したい目標を想い続けることについて、非常に参考になります」

 

― ストレスの発散法がありましたら、教えていただけますか?

中岡「どうしょうもなくなった時には、畑にいくのもひとつ。人に会って話しをすることもあります」

 

― お部屋に素晴らしいお酒のコレクションをお持ちですが、お酒はお好きですか?

中岡「お酒はお付き合いなんです。お酒が飲めるようになって45年。1人で飲みに行ったっていうのは10回もあるかな? 1人で行っても面白くないじゃない(笑)。やっぱり人と会って話をするのがストレス解消かな」

 

― ありがとうございます。最後に、今後の目標と夢を教えてください

中岡「北海道の養豚産業の地域性を活かした特徴ある商品を、道外、海外へ発信をしたいと思っています。大手メーカーは既にやっていることですが、小さいロットからでも、自社で商品開発をしてそれが流通の中で認められるような養豚産業を構築してみたいと思っています。今、流通している豚肉の53%が国産で47%が輸入品。そのうち35%アメリカからの輸入ポークです。これからまた多くの輸入ポークが入ってきても、国産、北海道産豚肉の価値を支持してもらえる製品を作らなくてはならない。そのためにできることをしていきます」

 

― 近々でご予定していらっしゃることはありますか?

中岡「第3農場の建設地を探していて、そちらは2017年に事業スタートを予定しています。第3農場では、より北海道らしさを追及した生産システムを作りたいと考えています。輸入穀物に頼らない、国産のとうもろこし飼料の生産が可能かどうか。各社と連帯して道産飼料の安定した供給システムやルートを確立したいです」

 

― やはり、養豚の未来に対する目標をしっかり見据えていらっしゃいますね 

中岡「個人的な目標はなんだろうな…。やっぱり仕事のことを考えているほうが楽だね(笑)」

 

― 畑に出て、木を植えていらっしゃる。毎年、結果を結び、人を喜ばせる、素敵なご趣味だと思います。

中岡「そうだね、枝を1本切るにしても、2年~3年かけて伸びたものを切るわけでしょ。それが元に戻るためにはそれ以上の時間がかかります。翌年、ここに枝があればよかったよなあ。と思ってみると、根本に切った跡があったりしてさ。ああ、失敗したなあ! とか(笑)。そんなことを考えてやってると面白いよ。収穫して収益がどうということじゃないからさ。芸術みたいなもんだよ。枝振りを見て、ここをもうちょっと…。なんてね」

 

― 今日は本当に勉強をさせていただきました! ありがとうございます!

中岡「いいえ、こちらこそ。どうもね!」

  

 

   IMGP8948-2s  中岡 勝  (なかおか まさる)
    
1951年8月15日 余市町出身
 血液型 A型 

 幼少のころから家業である養豚の仕事を手伝い、
 カラフト犬と一緒に働く。1973年代表取締役に
 就任。道外、海外視察を通して、養豚の企業化
 について学び、最新の理念と設備を導入。北海
 道の養豚業界を牽引する存在となる。
 樽前湧水豚をはじめとした、北海道ブランドの
 確立や、自給率向上を目指した食品リサイクル
 システムの導入を実践している。
  

  (取材:2016年 4月)

 

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