趣味は『台湾を知ること』 ~趣味=仕事な編集長の切り替え術
― 細木編集長は、ご自身の中で、仕事と遊びを明確に区別していらっしゃいますか?
細木「あまり、境界線がないですね。仕事が遊び。遊ぶように楽しみながら仕事をしている。私の主な仕事は、取材に行って記事を書いたりすることなんですけれど、週末、自宅で時間が有るときに、じゃあ、1本記事を書こうかな。と、それは全然、苦痛じゃないんです。週末、家族と出かけるときも、いいなと思うことがあれば、写真を撮ってきて、記事にします」
― 普段の生活の中に、自然と取材が共存しているんですね。それがストレスに感じる時はありませんか?
細木「忙しくなりすぎると、例えば記事が10本以上溜まってしまうと、一度完全に頭から無くして、映画を2~3本続けて見たりします。ジムヘ行って身体を動かして、ぱっと切り離してから、スッキリした頭で仕事に再び取り組むようにしています」
― 上手にバランスを取っていらっしゃるんですね。お休みの日は決まっていらっしゃいますか?
細木「土日は基本休みです。週末取材に出ることも多いですが」
― 細木編集長の趣味は、何ですか?
細木「仕事が趣味でもあるんですけど、それ以外では、映画見たり、ジムに行ったり、本を読んだりとか。あと、あまりに生活の一部になっていて忘れていましたが、泡茶師という中国茶の師範資格をもっています。お茶には詳しく、うるさいんです(笑)」
― 台湾といえば、お茶ですね! 師範資格までお持ちでいらっしゃる。多趣味でいらっしゃいますね。
先ほど、お話にもありました、お好きな映画について、教えていただけますか?
細木「映画は文芸的な作品が好きですね。印象に残っているのは、ノーベル賞を受賞したイギリスの数学者の映画『エニグマ』。俳優が好きで、その出演作品を観たりすることもあります。好きな俳優は、ジェイソン・ステイサム、アマンダ・サイフリッドが好きです」
― 文学少女だった細木編集長に是非、お好きな本のご紹介をしていただきたいです。
細木「新しい作品はあまり読まないのですが、作家は、森瑤子さんが好きです。好きな作品は小池真理子さんの『恋』です。こういう世界が好きですね」
― 台湾にいらっしゃって、日本語の本を読みたいときに不自由はされませんか?
細木「日本に帰ったときに、文庫本を何十冊か買ってきます。普段は仕事関係の本、台湾関係の書籍を読んだりすることが多いです」
― 台湾関連の書籍、おすすめがありましたら、ご紹介いただけませんか?
細木「私が最近コーディネートした、この本なんですけれど。『台湾大好き編集部』の第3弾『台湾かあさんの味とレシピ』。台湾各位の家庭で作られるお料理の紹介をしたり、台所事情についてお話を伺ったりといった、 『台湾家庭の台所』に焦点を絞ったお料理本です」
― 台湾の台所あるある! 気になりますね。写真も素敵です。こちらの本は日本でも購入できますか?
細木「はい。大手書店やウェブサイトでも購入できます」
― 台湾料理と言っても、たくさんの種類があるんですね。
細木「本の中には6人のおかあさんが出てくるんですが、台湾料理はもちろん、客家料理とか、素食料理(※ベジタリアン料理)とか、直接取材させてもらいました。日本でも作れるように、日本の材料での作り方を紹介しています。自分で台湾の味が作れますよ。試してみてください」
未だ見ぬ台湾を求めて ~自分と読者の『好奇心』を満たし続けるために
― 最後に、今後の夢と目標を教えていただけますか?
細木「『台北ナビ』としては、常に台湾の『今』を紹介していきたいと思っています。日本人がもっとたくさん台湾に来てくれて、台湾のいろんなところを、ありのまま知っていただけるように、お伝えしていきたいと思います」
― ありのまま! 確かに、『台北ナビ』の記事を見ていると、取材先の良いところも、そうでないところも、ありのまま書いてありますね。
細木「そこに行くかどうかは読む方がご自身で判断することですから、台湾のありのままをご紹介しています。今年はお店や観光スポットだけでなく、原住民部落へも取材に行きました。それは今後も続けて行きたいと思います。個人的には、今年、通訳ガイドの資格試験に受かったので、来週から研修を受けに行ってきます」
― 台湾での通訳ガイド資格を取得なさったんですか!
細木「ええ。案外ね、試験勉強も楽しかったですよ」
― お仕事をしながら、お勉強をして、資格試験もパスなさる。努力家でいらっしゃいますね。
細木「現状に甘んじることなく、老体に鞭打ちつつ(笑)。仕事上も役に立ちますし、今後は違う資格試験にも挑戦したいと思ってます」
― 細木編集長の尽きない好奇心はどこからくるのでしょうか?
細木「なんでしょうね。昔からいろんなものを拒絶しないというか、何を見ても『何これ!?』と興味を持ってきたんです。それが今の仕事にもつながっているのかもしれません。今、台湾リピーターがどんどん増えてきて、台湾について深く知っていらっしゃるから、皆さんに鼓舞されて、自分も頑張らなきゃ! という感じです」
― 今後、個人的に目標にしていらっしゃることはありますか?
細木「台湾各地を取材して何年にもなりますが、まだ、行けてないところもいっぱいあるんです。それをどんどん開拓していく。それに尽きますかね」
― ありがとうございます。私も好奇心を枯らさないように、台湾各地を体験してゆきたいと思います。
細木「ありがとうございました。是非あちこちね、行ってみてください」
1月4日生まれ 徳島出身 O型
本好きな少女として、徳島の自然の中で育つ。
大学時代に世界各国を旅し、海外で働くことを
決心。1985年、台湾へ日本語教師として派遣さ
れる。
在台日系証券会社勤務などを経て、2002年~
『台北ナビ』に参加。2006年編集長就任。編集長
自ら台湾各地を取材し記事執筆するほか、雑誌等
台湾取材のコーディネーターとしても活躍中。
(取材:2016年 11月)
台北ナビ 細木仁美 編集長 インタビュー 【1】 【2】 【3】 【4】