わたなべゆうかの美食ナビゲート《第四回》トラットリア リッコ(札幌・大通)

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札幌PARCO裏のシャワー通り、パレードビル2階にあるイタリアンのお店、トラットリア リッコ。その雰囲気のある木製の扉をぜひ開いていただきたい。

2009年6月にオープン。
もともとは教員になろうと通っていた大学ではサッカーにも励んでいた長嶺シェフ。
飲食の世界に興味を持ったきっかけは、けがでサッカーができなかった期間の巡り合わせではあったが、そこから実践的な経験や修行を国内外で経て、現在Riccoは10年目の節目の年を迎えている。

本日の1杯目は『トスカーナの自然派白ワイン』。
草原を思わせるようなすっきり感と爽やかさ。
それはそれは乾杯にぴったりだ。

イタリアのワインのみを扱う長嶺シェフがワインソムリエの資格を取得したのは2010年のこと。
ワインが好きで、ワインに合う食事を作ることへのシェフの創造性は非常に芸術的。

秋刀魚のタルタル

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2層になった丸いケーキのようなかわいらしい一品目。
レアのお肉を細かく刻んだフランス料理、タルタルステーキからアイディアを得た『秋刀魚のタルタル』。
じゃがいも、マヨネーズ、マスタードでまろやかな層の上に新鮮な生の刻みさんま。

見た目にも癒される美しいメニューの開発は、”開発”というよりも、たとえば居酒屋で出てくるこのおつまみは洋風にしたらどうなるのか、そういった長嶺シェフの想像力が、日々絶品料理を生んでいる。

洋風春巻き

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続いては『洋風春巻き』。
ピザからヒントを得ているこの料理、旬の具材で中身は変幻自在。
今回の中身はリコッタチーズとエビ、ブラックオリーブに旬のトウモロコシ。
添えてある伯方の塩、フルールドセルは大粒で甘みがあり、この食感のアクセントも計算され尽くされている。

ここで白ワインをもう一杯。
はちみつとアップルジュースのような風味を感じさせる『南イタリアのシャルドネ』。
人生でいただいた白ワインの中でもトップクラスでお気に入りになった。
シェフ曰く、このあたりの濃い味を求める人は身体が強いそう。
間違いないと思う。

ワインは、抜栓をしてからの時間や日数で樽の風味や味のやわらかさに変化があるそう。
このシャルドネも栓を抜いてすぐのものと3日目のものでかなり表情が違う。

内装からシェフが手がけたこのレストラン。
40代以上の男性のお客さんには、昔サッカーをやっていた人や、シェフが学生時代の先輩や後輩も多く、おいしいお料理と楽しいお話、その空間を満喫しに来ている。
ふらっと女性ひとりでも落ち着けるカウンター席、デートにも非常に雰囲気が良く、半個室的なボックス席の居心地も抜群。

ゴルゴンゾーラのニョッキ

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私がここに来るきっかけをくれた魅惑の一品が登場。
『ゴルゴンゾーラのニョッキ』。
イタリアで作られたもちもちニョッキに濃厚に絡んだゴルゴンゾーラソースが最高。

牛バラ肉の煮込み

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今日のメイン料理は、角煮からヒントを得た『牛バラ肉の煮込み』。
たっぷりのレンズ豆ときのこに包まれたバラ肉は、オーブンで2時間半ほど、そのあとは余熱でしっとり仕上がり、ほどけるほどにジューシー。
家庭では真似のできない特別な逸品。

キャラメルアイスクリーム

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注文したデザート待つ間、不意に出てきたのは出来立ての『キャラメルアイスクリーム』。
シェフが牛乳、生クリームとお砂糖で今作ってくれたばかりのアイスクリームは、クリームそのものに近いまろやかさ。

『カタラーナ』

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実はジャズ音楽通の長嶺シェフがいつか実現させてみたいことは、
『今よりも少しだけお店をこじんまりと』
『ジャズ音楽を中心にワインを楽しめる場所にすること』
夢もまた通だ。
そんな話を聞きながら、デザートのカタラーナをいただいて、本日の〆となった。

自分へのご褒美に。
大切な人とのお祝いに。
仕事帰りの癒しに。
女子会に。

トラットリア リッコはきっとその日のあなたに寄り添ってくれるはず。

 

トラットリア リッコ (TRATTORIA RICCO)

札幌市中央区南2条西3丁目 パレードビル 2F
011-210-2255

定休日:火曜日

ランチ 11:30~15:00 (L.O.14:00) ディナー 17:00~24:00

わたなべゆうかわたなべゆうか

1988年8月4日生まれ 江別出身 血液型O型

ソプラノ歌手
FMノースウェーブ “L”(月〜木9:00〜11:55)のDJ

17歳で英国 Arts Educational Schoolミュージカルコースに入学、卒業後は英国 Royal Academy of Music声楽科で学ぶ。帰国後は、ミス・ユニバース・ジャパン2012北海道代表。ソプラノ歌手、ラジオDJ、モデル、イベントMC、歌唱/英語講師、通訳として幅広く活動。

  (取材:2018年10月)

 

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