Lowland Jazz 2017 インタビュー

LowlandJazz

2017年9月7日の札幌公演を前にメンバーに今年のライブの見どころなどをインタビューしました。今回、インタビューさせていただいたのは、バンドリーダー・トランペットの具理然さん、テナーサックス&クラリネットの石井裕太さん、ギターの紺田凌平さんです。ライブの話以外にも使用楽器の話など、幅広い話題をお聞きしました。

 

― よろしくお願いいたします。まずLowland Jazzについて、読者の方に教えていただけないでしょうか?

具理然さん(以下、具理然):Lowland Jazzは「ジャズの敷居を低く」をモットーに2013年4月に結成されたビッグバンドです。基本的には僕の知り合いを集めて、”ボカロ”や”アニソン”などの聴きやすい音楽をジャズのビッグバンドアレンジにして、聴いていただこうとニコニコ動画やyoutubeにアップしているバンドです。今まで、札幌では今年を含めて2014年から4年連続で演奏の機会を頂いています。もちろん東京でも年に何度かライブをしています。ニコニコ超パーティーでは、ネットからの視聴者数を入れると25万人の前で演奏させて頂きました。

 

― メンバーは変わりましたか?

具理然:変っていないです。ただ残念ながらトロンボーンの石川は札幌公演には出られないんです。その代役としてアニソンアルバムのリードを吹いていたトロンボーンの大田垣さんという僕の5つ上の先輩に参加して頂くことになっています。

 

― 9月7日の札幌公演の聴きどころを教えてください。

メンバーの一人一人が現在、色々なところで様々に活躍しているので、それがまたLowland Jazzというバンドになって、新しいサウンドが生まれるのではないかと期待しています。新曲も沢山あるので楽しみにしていて下さい。

 

― 石井さんはライブでここに注目して聴いてほしいというところはありますか?

石井裕太さん(以下、石井):Lowland Jazzで演奏していると特に日本の曲が多いのですが、原曲がとてもポップなんです。スペースがあれば、コードに乗せてアドリブでなんでも吹けるんですけど、可能な限り原曲のポップさを残したまま演奏しています。すごいポップだけど、めっちゃカッコイイみたいなことをやりたいと思っています。

 

― これは具理然さんのトランペットにもいえるんですが、石井さんのアドリブはキャッチーでカッコイイんですよね。

具理然:うちの看板ソリストですから!!

 

― では、紺田さんからも聴きどころを教えてください。

紺田凌平さん(以下、紺田):ここ最近、ロックな楽曲が増えてきたので、千葉くんのアレンジなどもそうですが、ジャンルが多種多様になってきている部分を楽しんでいただけたらと思います。

 

具理然:紺ちゃんはいつも以上に熱くプレイしてくれるので、そこは動きも込みで楽しんでいただければと思います!!

 

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― Lowland Jazzにとって札幌とはどんな場所ですか?石井さんは札幌でLowland Jazzに限らず色々な場所で演奏されていますが、いかがですか?

石井:札幌では、僕が演奏して伝えたいことが、よく伝わっているように感じます。僕は普段、演奏に若干の計算が入るんですよ。僕はこういうつもりでこれをやるけど、そのままストレートに表現すると伝わらないだろうなぁと。

札幌の皆さんは心の底から音楽が好きなんだろうなぁと感じます。もちろん、最近の札幌ジュニアジャズスクールからの流れだったり、昔から色々なミュージシャンがたくさん生まれていて本当にレベルは高いです。でも、それだけじゃなくて純粋に聴く人たちが音楽が好きだということを肌で感じますし、ちゃんと評価していただける場だと思っています。

 

― 札幌出身の紺田さんにとって札幌とはどんな場所ですか?

紺田:自分にとってはホームグラウンドですから、もちろんのびのびと気持ちよくプレイできるし、とても大切な場所です。

 

― 具理然さんにとって札幌とはどのような場所ですか?

具理然:実は去年も話しているんですけど、同じホールで3、4回と演奏してる場所がないんです。一応、全員が東京で活動しているミュージシャンなんですが、それでいて札幌で4回目のライブを同じ場所でさせていただくということなので、僕達にとっては札幌共済ホールがホームグラウンドといってしまいたいくらいの大きな存在となっています。有り難い事にお客様にも年々Lowland Jazzが浸透してきて、聴いてくださる方が増えてきているので、身内のように楽しんで演奏させていいただける場であることが、札幌の魅力だと思います。

 

― 使用されている楽器のことについて教えていただけませんか?興味を持っている方も多いと思います。

石井:ぼくはH.Selmer mark6で、マウスピースはKen Okutsu Traditional 1 #7を使っています。奥津乾さんという人が千葉で小規模のハンドメイドで作っていらっしゃいます。リガチャーはSelmer Oldです。リードはダダリオ ジャズセレクト 3M Filedを使用しています。

クラリネットは、B.Crampon E13です。マウスピースはVandoren B40。リガチャーはSelmer Old Silver、リードはVandoren  V12 #3です。

 

具理然:トランペットはBach(バック)を使っています。去年のライブの頃はYAMAHAを使っていたんですが、昨年9月くらいに新調しました。Bachのコマーシャルモデルが、スタジオミュージシャン向けに作られたものでちょっと軽い楽器なんです。抵抗が少なく明るい音がするので気に入って使用しています。マウスピースはWarburton(ワーバートン)という上のリムと下のバックボアが外せるマウスピースです。自分でカスタムして自分に合うマウスピースを選べるもので、上が4Mというサイズバックでいう3Cくらいの大きさです。後ろのバックボアがQMというものを使っています。

 

紺田:ギターはギブソン335のカスタムモデル。今、メインで使っているのがフジゲンのテレキャスターです。Lowland Jazzは普通のジャズの曲調からロックの曲調まで幅広いので、その特徴に合わせてとピックアップをハムとシングルで使い分けています。弦はダダリオの・ジャズブルース向けの1.1か1.2くらいのちょっと太めを使っています。エフェクターは、ワウがクライベイビー、XOTICのEPBooster、BOSSのオーバードライブBD-2、ディレイはLINE6 DL4 ですね。

 

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― プロを目指している人たちに一言ずつお願いします。

具理然:今の時代、SNS、Twitter、Facebook、YouTube、ニコニコ動画・・・これら以外にもたくさんの媒体があって、やはりミュージシャン何が大事かというと『知ってもらうこと』が一番大事だと思うんです。特に管楽器奏者はバックに行ってしまうので、ぜひぜひみんなでこういう媒体を活用して、自分自身をプロデュースしていくという「セルフプロデュース」ということを大事にしていって頂けたらと思います。練習はもちろんですけどね(笑)

 

石井:プロとしてやっていく上で、いろんな仕事の種類があると思うんです。プレイヤーなのか、作曲、編曲の方をやるというのもあるし。ぼくは基本的には演奏がメインなので、そちらに絞ってお話をさせて頂きます。

何か楽器をやる時に、例えばサックスとテナーサックスを比べた場合どちらにするか決める際など、「好きな音」「好きなプレイヤー」を探すというのが大事という話がありますが、ぼくもそれは是非やり続けてもらいたいと思います。なぜなら、練習するときに音のイメージというものがないと、体が音に近づけてくれないんですよ。目指すものに近づけるために、練習するときにこうなりたいという具体的なイメージを持つことが大切だと思います。

また、僕はサックスを始めてから好きな音がどんどん変わっていっているんです。昔嫌いだった音の人がどんどん好きになるとか、幅がとても広がりました。「今、この音が好きだからこの人を聴こう!」でいいと思います。ジョン・コルトレーンがすごいから聴きなよってよく言われたんですけど、僕は昔ジョン・コルトレーンがむっちゃ嫌いだったんですよ(苦笑)。勧められてもあんまり聴く気が起きなくて。でも、サックスを始めて5年目くらいから、やっとカッコイイと思えて聴くようになったんです。僕の場合には、あんまり好きではないけれども、勉強になるからと思って聴いても全然身にならないという経験がありました。サックスはこんな音もあんな音も出せるんだねという中から今好きなものを選んで、それを定期的にやってみて、どんどん好きな世界を広げられたら良いと思います。

 

紺田:具さんが話した通りだと僕も思います。あとは、付け足すとすれば「自分を売り込む力」も大切だと思います。音楽の仕事は、昔は結構あったようなんですが、今は大分減ってしまっているようですね。そんな中、求められる仕事に対して、自分の個性を最大限発揮させ「セルフプロデュース」する力も必要だと思います。

 

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― 小・中学生に向けて、ギターの練習ポイントを教えてください。

紺田:スケールと指板の位置を把握することが大事かと思います。一番大切なのは好きなギタリストの演奏スタイルを聴きこむことです。モダンなところだと、ジョーパスとかジムホール、ロック寄りになるとマイクスターンは勉強になります。

 

 

― 今後のLowland Jazzの活動について教えてください。

具理然:ありがたいことに、色々なところで声を掛けていただいております。TwitterなどでLowland Jazzの活動について情報をお伝えしますのでご覧いただければ嬉しいです。

今年のライブでは、新曲も携えていきます。これまでセトリ(セットリスト)を組むときは、過去にやっていない曲から選ぶようにしていましたが、今回はLowland Jazzの僕たちもお客様も楽しんで聴いていただけるオススメの曲を揃えて提供させて頂きます!是非、札幌共済ホールに足を運んで頂けましたら嬉しいです。チケット絶賛発売中です。よろしくお願い致します!!

 

 

【Lowland Jazz オフィシャルサイト】
https://lowlandjazz.jimdo.com

 

Lowland Jazz 札幌公演 

lowland20-22017/09/07(木)

開場時間:18:30
開演時間:19:00

札幌共済ホール
札幌市中央区北4条西1丁目 共済ビル6F

 チケット販売:チケットぴあ
http://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1725849

イベント詳細
https://tashinam.chodosya.com/live/20170601/

 


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 Lowland Jazz

 2013年4月 具理然が中心となり国立音大ほか、青山学院大学のジャスオーケストラのメンバーが集まり結成。『ジャズの敷居を低くする』をコンセプトにボカロ曲やアニソンをジャズアレンジし、迫力の演奏で魅せるビッグバンド。

 ニコニコ超パーティーでは、ネットからの視聴者数を含め25万人の前で演奏し大きな反響を呼んだ。

 

    (取材:2017年 6月)

 

  

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