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マッサージ師に飛び込み弟子入り? ~ 作家活動から店舗開店にいたる華麗な遍歴

 

― 青木さんと台湾の出会いについてお聞かせください。台湾へ最初にいらっしゃったのは、どういうきっかけがあったのですか?

青木「大学を卒業してから、バックパッカーとして世界中あちこち旅をしていたんですけど、ある年上のお友達に『台湾面白いよー。お茶も美味しいし』と誘われて、台湾へ行くことになりました。その当時の私にしては、異例の三泊四日の旅で、ホテルもちゃんと予約して行きました。そこで会った台湾の人たちの人柄に惹かれたのがきっかけ。日本人に対してすごく良くしてくれるし。それに、生活しやすそうだな。とも思ったんです。その頃、私はどこか海外で、住むのに良い国を探していたんです。そういう風に色々考えてみたら、台湾が良さそうだな、と思って」

 

― 2005年に出版された青木さんの第1作目奇怪ねー』を拝見しますと、Tシャツに『マッサージ教えて』と染め抜きして台湾の足マッサージ屋に弟子入りした。というくだりがありますね。中国語は留学してから、お勉強なさったのですか?

青木「そうです。言葉を勉強するだけじゃつまらないから、他に勉強できることを探してマッサージ屋に弟子入りしました。最初に台湾に旅行した時に行ったお店の先生に弟子入りしたんですけど、素晴らしい先生で。マッサージしてもらったときに、身体だけじゃなく、気持ちがスッキリして、前向きになれるという体験をしてから、勉強してみたいな。と思って」

 

― 2003年から台湾在住。と青木さんの公式プロフィールにあります。留学に行かれた年から数えて、2年後の2005年には台湾でベストセラーになる処女作『奇怪ねー』を発売される。素晴らしいスピードですね。どういった経緯で台湾で本を出版されることになったのですか?

青木「日本のパソコン雑誌に連載記事を書かせてもらうことになったんです。連載を続けながら台北で染色、写真、墨絵等の制作と作品の展覧会を開催しているうちに、友達が台湾の出版社を紹介してくれました。その時に(出版社の担当者が)日本の雑誌連載の切り抜きを見て、日本語で何が書いてあるのかわからないのに、青木は絵もかけるし、中国語もできるし、どうやら文章もかけるらしい(笑)。という話になって、出版の契約が決まったんです」

 

奇怪ねー台湾 不思議の国のゆるライフ

 

― では、連載されていたものをまとめたのではなくて、書き下ろしなんですか?

青木「そうです。あれは、デザインも文章も校正も全部自分でやって、印刷所まで自分で行きました(笑)」

 

― 執筆期間はどれくらいで仕上げたのですか?

青木「5ヶ月くらいだったかな」

 

― その期間で一冊に仕上げたんですか?大変でしたね!

青木「うーん。今思えば、留学期間中で、時間はあったからねー(笑)」

 

― その第1作目が台湾でベストセラーになり、その後、日本でも発行された『奇怪ねー台湾 不思議の国のゆるライフ』は、今、新装版が発売されていますね。台湾に興味のある方は、入門書として是非、ご覧頂きたい一冊です。その後も台湾と日本で本を出版されている青木さんですが、今年の11月13日に新刊が発売になりましたね。4年の歳月をかけてついに完成した『台湾のきほん』。長期間にわたる執筆、お疲れさまでした。

青木「この4年の間に本当にいろんなことがあって、新しい事を経験して、それまで書いた内容を丸ごと書き直したり、デザインも最初からやり直したり、大変でした。デザインを担当してくれた方が、全力で私のイメージに近づけてくれて。紆余曲折ありましたが、やっと出ました。良い本に仕上がっていると思います」

 

― 新作、早速拝見いたしました。青木さんの直観力で見抜いた台湾人の真の姿に思わず笑ってしまいました。台湾の法律や、ビザの取得から病院代に至るまで、実際にかかる目安の金額も記載されていて、実に参考になります。これから台湾に進出したいと思っている企業の経営者の皆様にも、ぜひお目通しいただきたい!

青木「ありがとうございます(笑)。台湾の研究をなさっている方がたくさんの本を出されている中で、私のは、あんな感じなんですけど(笑)。写真も私が撮ったもので、手書き文字も、イラストも私が描いています。ガイドブックに乗っていないことがたくさん書いてあります。楽しんで読んでもらえたら嬉しいです」

 

 

台湾のきほん 不思議の島のゆるガイド

 

― 新刊発売に合わせて、ウェブでの連載も始まりましたね。糸井重里さんが主宰するウェブサイト『ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日』で連載中の『台湾のまど』~青木由香の1人台湾観光局~ほぼ日支所からも、台湾の今が覗けます。台湾の今に興味のある方は、そちらも是非、ご参考にしてください。

 

 

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2015年4月にオープンした 『你好我好』 (台北市大同區涼州街45號)

 

 ― 今年は新作刊行の他にも、青木さんのお店『你好我好』が開店しましたね! 店舗をつくることは以前から企画していらっしゃったんですか?

青木「いえ全然(笑)。それが、いろいろあって、予想外にお店が出来ることになって。お友達の写真家、川島小鳥ちゃんが台湾で撮影した写真集『明星』が発売されるタイミングだったので、オープニングイベントは『川島小鳥の明星ストア』と銘打って写真展と写真集販売会を開催しました。ところが、用意した写真集が2日で売り切れちゃって(笑)。売るものないし、どうしようか。って、一度お店閉めました(笑)。イベントに合わせて2週間前から大急ぎで内装工事して、お店できたよー! って宣伝したのに、みんな来てみたらお店が閉まってる。どういうことだー! ってね(笑)」

 

― それは大変でしたね(笑)

青木「最初はフリースペースとか、ギャラリーとしての運営することを考えていたんです。商品在庫を預かるつもりは全く無くて。でも、たくさんのお客さんから問合せを頂いて、展示販売したいという作品を見せてもらったり、相談に乗っているうちに『これは売れるけど、これは難しいんじゃないか?』というのがわかってくる。こちらとしては、商品が売れても売れなくても、スペースをレンタルしてくれれば、損をするわけではないんだけど、商品が売れなくて作家が寂しい気持ちになるのは残念だな。と思って、『ちょっと委託で置いて実験してみたら?』と提案するようになりました。それで今は幾つかの商品をお預かりして常設で展示販売しています」

 

― 開店から予想外の展開だった『你好我好』が開店して、そろそろ半年が経過しますが、手応えはいかがですか?

青木「お店というものをやったことがなかったので、勉強になることがたくさんあります。今は、日本人のお客さんへ向けて、台湾のいいものを紹介しています。不思議なことに日本人がお店に集まるのを見かけて、最近では台湾人もお店に来てくれます。『台湾人でも台湾にこういういいものがあるのは知らなかった』と言って、日本人と同じように台湾の製品を買ってくれたりします。12月上旬から日本の作家を招いて、今度は日本のいいものを台湾に紹介したいな。と思っています」(→12/28迄開催『日本人 LOVE 台湾』)

 

― ひとつのお店を介して、日本と台湾が交差する。素敵ですね。青木さんご自身の活動コンセプトが形になったと申しましょうか。文化交流の拠点として、たくさんの方に訪れていただきたいです。

 

 

青木由香さんインタビュー 】【】【