台中の魅力。それは、古いものとと新しいものが混在し、しかも不思議に調和しているところにあるのではないでしょうか。

 もちろん、それは街並み全体にも言えることですが、なにより特徴的なのは、同じ建物の中ですらも、レトロとモダンが同居し、独特の雰囲気を作っていること。

 今回は、そんな台中の魅力あふれる、老舗の氷屋さんをご紹介します。

 

台中の鉄道駅から徒歩12分。アーケードを歩いていると、不意に足元がタイル敷きになりました。そこにはタイルで描かれた『ミツマメ』の文字が。見ると建物そのものも涼しげなタイル張りです。こちらが『幸發亭蜜豆冰』です。

 

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 1938年創業の『幸發亭蜜豆冰』。今からおよそ80年前。創業者の陳溪さんが日本のカキ氷を参考にして作ったのが、現在もこのお店の看板メニューとなっている『蜜豆冰』の始まりだったそうです。その頃の『蜜豆冰』は、スイカ、バナナ、そして当時、非常に高価だったリンゴの三種類を入れたカキ氷と10種類のトッピングが特徴だったとのこと。

 

最初は手押し車で売り始め、その後、台中の第一市場へ出店。働き者のご主人と奥さまの苦労の甲斐あって、1970年代には超人気店となり台中の『蜜豆冰』は台湾全土からお客さんを集めるようになります。

しかし、1978年に店を構えていた第一市場で火災が発生してしまい、移転を余儀なくされました。その後、立地が変わったお店からは次第に客足が遠のいてしまったとのこと。

そんな不幸な出来事から長いブランクを経て、2014年。ついに『幸發亭蜜豆冰』はリニューアルオープンとなりました。

 

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画像元:幸發亭蜜豆冰ウェブサイト(http://sft-ice.com.tw/)より転載

 

 

新たに歴史を刻むことになったお店は、リノベーションされた歴史ある建物。あちこちに趣あるデザインを残しています。涼しげな白とグリーンで統一された店内は南国のオアシスのような雰囲気です。

 

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楊德昌(エドワード・ヤン)監督の映画のような色と光

 

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看板メニューの『蜜豆冰』はこちら。

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 台湾カキ氷といえば、牛乳を雪のように削った『花雪氷』にマンゴーをドッサリのせて、さらにその上に練乳を掛ける…といった派手なイメージが一般的ですが、こちらの『蜜豆冰』は非常にシンプル。透き通った氷の間に浮かぶ生のフルーツの鮮烈な香りと、そこに加わるドライブルーツの熟成された甘みのハーモニーがとても癖になります。さらにすっきりとした甘さに煮られた金時豆や落花生の素朴な味わいが厚みのあるおいしさを奏でます。見た目には地味でも、身体が喜ぶ。じんわり幸せを感じる。これこそ、台湾中部の暑さにぴったりの、地元ならではのカキ氷だなあ、と感じました。

 

他にもチョコレートバナナ氷、抹茶小豆氷などもあり、季節によってはマンゴーかき氷も食べられます。
メニューを見ると『豆花』や『紅豆湯』などホットでも楽しめる甘味が取り揃えられています。 

 

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※『幸發亭蜜豆冰』公式ウェブサイト メニューはこちら→ http://sft-ice.com.tw/ice-list.html

 

夏の暑い盛り、お買い物帰りに立ち寄って、扇風機のやさしい風に当たりながら食べたい。そんな趣を感じさせる台中ならではの冷たいデザート『蜜豆冰』でした。

 

io台中『幸發亭蜜豆冰』 

ああa台中市中區臺灣大道一段137號
ああa(
04)2229-3257

営業時間
a10:00~22:00(年中無休)
Web  http://sft-ice.com.tw/ (中国語)

 

  (2016年12月 取材:羽衣子)

 

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