『Tashinam』タシナム8月号の配信です。

今月はMPB(ブラジル・ポピュラー・ミュージック)の紹介です。

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『Luz』Djavan

録音:1982年

Djavan…ジャヴァンと言われても・・?? こんな読者の方が多いのかもしれないので、まずはプロフィールから。

 

 

ジャヴァン-本名:ジャヴァン・カエターノ・ヴィアナ

1947年ブラジル北東部のアラゴアス州マセイオ生まれ。ポール・マッカートニーに憧れ地元でバンド活動を始める。

1975年サンパウロで行われた音楽祭で自作曲が2位に入賞したことでレコード契約、翌76年にファーストアルバム『声・ギター・音楽』をリリース、プロデビューを飾る。

シンガーソングライターとして大きな注目が集まったのは、78年ECMブラジルからリリースしたアルバム『ジャヴァン』の中の『アリビ』という曲が人気女性シンガー、マリア・ペターニャに取り上げられ、彼女のアルバム『アリビ』が空前の大ヒットを記録したことに始まる。以降、彼の曲は人気シンガー達に競って歌われるようになる。

82年CBSと契約、アメリカに進出する。同年LAにて今回紹介のアルバム『ルース』を録音。

84年には全米、そしてヨーロッパツアーも行い、本格的な世界マーケットでの成功が始まる。

ということで、世界的には相当な有名人ではありますが、日本での認知度はいまいち低いのかもしれません。しかしこのアルバムは最高に素晴らしいです。これを機会にぜひ一度お聴き下さい。

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Djavan 画像元:Indika bem / URL:http://goo.gl/PTQwDQ

 

収録曲

1.Samurai

2.ルース(光) Luz

3.高貴な女 Nobreza

4.カピーム Capim

5.シーナ Sina

6.花 Petala

7.水浴び Banho de rio

8.椰子 Acai

9.スフィンクス Esfinge

10.妹 Minha irma

 

メンバー

ジャヴァン(vocal)

スティーヴィー・ワンダー(harmonica)

アーニー・ワッツ(sax)

ヒューバート・ローズ(flute)

ハービー・メイソン(drums)

ロニー・フォスター(keyboards)

ホルゲ・ダルト(piano)

エイブラハム・ラボリエル(bass)

ラリー・ウィリアムス(sax,flute,piccolo)

ポール・ジャクソンjr(guitar)

ラウル・デ・スーザ(trombone)

プロデュース:ロニー・フォスター

スティーヴィー・ワンダーが当時まだ世界的には無名だったジャヴァンの歌声に聴き惚れて、有名スタッフ総動員して録音したアルバムです。

それにしてもメンバー凄すぎ(笑)当時のジャズ/フュージョン界のスーパースターを集めましたって感じです。

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画像元: Luanda Records / URL:http://goo.gl/nURY6k

 

それでは簡単に曲の紹介をいたします。

 

1.Samurai

何と言ってもこのアルバムはこの曲に尽きます。
出だしの『アァ~~ィ』でノックアウトさせられます。
伸びやかで透き通るようなジャヴァンの歌声がとにかく素敵です。
スティーヴィー・ワンダーのハーモニカも最高に歌っています。

ポルトガル語はスペイン語とフランス語の中間的な響きを持っていて、世界で一番官能的で音楽的な言葉であると言われているそうですよ。ポルトガル語最高ですね。

 

2.ルース(光) Luz

アルバムのタイトル曲。
リズム隊のサポートが素晴らしい。

『人生は嘆きつづける、花があれば、川底もある、土くれの中にも愛の香り、口に出せないでいるときは、それは愛、愛は一瞬の炎』

目眩がするほど素敵な歌詞です。

 

3.高貴な女 Nobreza

愛を歌ったスローバラード。
ストリングスとピアノがジャヴァンの歌声に絶妙にマッチしています。

 

4.カピーム Capim

リズムが南米してます。
ギターの刻み方が徹底して裏拍。素敵です。
日本人にはなかなか出せないリズム感ですね。

 

5.シーナ Sina

ジャヴァンが先輩歌手カエターノ・ヴェローゾに捧げた曲。
歌詞の流れは前衛的なカタエーノスタイル。

 

6.花 Petala

アーニー・ワッツのサックスが最高に歌っています。
一流のミュージシャンは楽器を鳴らすのではなく楽器を歌わせますね。


7.水浴び Banho de rio

早くに父親を亡くし、貧しい生活を送った、幼少時代のジャヴァンの想いを綴った曲。

 

8.椰子(ヤシ) Acai

アサイーとはアマゾン一帯に多く分布するヤシの一種。
最近、ハワイで人気の朝食『アサイーボウル』のアサイーです。
ポルトガル語の歌詞ってどんな感じなのか、一部を抜粋して紹介します。

『朝の孤独、ほこりは地に舞い降りてくる、一陣の風、音におびえて、心はすべての正気のことばを血に流す。アサイー、番兵、甲虫が飛んで行った、あれは磁石、白いもの、それは朝の肌の色』

間接的に色々考えさせられる歌詞ですね。繊細な日本人にピッタリです。
それにしても、ヤシの一種のことを歌詞にして感動させるブラジリアン、凄いです。


9.スフィンクス Esfinge

サポート隊が当時流行りのウエストコースト一派なので、曲調に西海岸の香りが漂っています。ブラジリアンバラード。

 

10.妹 Minha irma

テンポのいい小曲。
『雷ゴロゴロ、ジューカーの息子は稲妻に打たれて死んだ…』
歌詞も面白いです。

 

日本にMPBを広めるきっかけになったアルバムです。
これからの季節にピッタリの一枚ですね。

ブラジルの熱い息吹を感じ取っていただけると嬉しいです。

毎月どのアルバムのレビューをしようかと相当悩んでいますが、来月も素敵な1枚をご紹介させていただきます。

また来月お会いしましょう。

蝶道社オーナー
紺田晴久