経営者インタビュー 2015年9月号

 趣味のブログ目当てにお客様が? 釣りと仕事のイイ関係

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― では、ここから遊びについてのお話をお聞かせ下さい。休日は釣りに出られることが多いですか?

小野寺「去年から今年にかけて、不動産免許を会社で下ろそう。という目標がありまして。うちの会社は不動産会社さんからお仕事を頂いているんですが、色々と不動産関係のノウハウを見ているうちに、僕らもこういうことを自社でやっていければ、一緒に飛躍できるんじゃないかと思うようになりました。例えば、うちの会社で中古物件を買い入れして、リノベーションをかけて、不動産会社で販売してもらう。とか新しい業務が出来るようになるんです。そのために宅建を取らなくちゃいけない。それで、僕が一昨年から勉強していたんです。1回落ちて(笑)、去年の10月受かったんですよ。その間は、あんまり釣りにいけなかったですね。」

 

― 宅建合格、おめでとうございます!お仕事しながら勉強なさるのは、本当に大変でしたでしょう。

小野寺「毎日2時間ずつは家で勉強してましたし、家族サービスもありますから(笑)。それであんまり釣りにいけなくて。今年になってからは、月4回の休みのうち、2回は釣りに行っています。残り2回は子供と出かけたり。うちの子が空手をやっているんですが、僕が教えてるんですよ。仕事が終わって、20時~21時位から1時間半くらい、毎日練習してるんですよね。その後、僕がご飯食べて。朝の3時から支笏湖で釣りをするには1時に起きなくちゃならないので、睡眠時間は2時間くらいしか取れないんです。」

 

― 身を削っていますね!

小野寺「最近はフェイスブックに記事をアップしてます。これを見ていただけば、普段どうしてるか、分かると思いますよ。息子との練習風景も載せてます。」

 

― 息子さんは今、何年生ですか?

小野寺「2年生です。今年1月の新人戦で優勝したんですよね。そんな感じで、今は月4日の休みの2~3日は釣りしてます。あとは平日、睡眠時間2時間で、身を削って釣りにいき、そのまま出社してます。今は、お客さんとお仕事でジギング(※『ジグ』と呼ばれる疑似餌を使った釣り)でブリを釣りに行ってます。僕、ゴルフしないので、その代わりに釣りでご一緒してます。」

 

― その、釣りを始められたきっかけは、何だったのですか?

小野寺「小学生の時に見た『釣りキチ三平』という漫画に魅了されて釣りを始めました。その後の学生時代には釣りから離れましたが、時を経て、社会人になってから原点に返るんですね。20歳くらいからまた釣りをやり出しました。独立したばかりのときは時間がなくて、年に1~2回しかできない状況もありましたが、今から7~8年前くらいには社員にも仕事が任せられるようになってきて、本格的に釣りを再開しました。その時にブログでも書いてみようかな。と思ったんです。仕事で色々な方に会うと、釣りに興味ある方が結構、多かったので、自分の釣果報告を公開していけば、仕事に繋がるんじゃないかと思って。それで、ブログを始めました。おかげさまで、そのブログが成功して、釣りの上手な方と知り合いになったり、釣具メーカーの方とお付き合い出来きるようになって行きました。そのうち、北海道アングラーパーティで司会をするようになりまして」

 

― それは、どういうパーティなんですか?

小野寺「本州から釣具メーカーさんや、有名なプロの釣り師をお招きして行う、交流会です。」

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2014年北海道アングラーズパーティ 画像元:『モンスタートラウトと出会うために・・・』 http://goo.gl/694980

 

―そこで司会をなさるっていうのは、相当に目立ちますでしょうね。

小野寺「僕のブログを見ていただければ、その様子が分かると思います(笑)。そんなこともあって、仕事上でお会いした方にも『ブログ観てるよ!』って言ってくれる方が増えてきて。あるとき、金融機関の方が突然会社に来て、『ご融資必要ありませんか?今は必要ないですか?そうですか…ところで、いつもブログ拝見してます。明日、釣り行くんですけど…、どこ行ったらいいですかね?』っていうこともありましたよ(笑)。お付き合いのある会社の社員さんから、『スミマセン、仕事の話じゃないんですけどいいですか?』って釣りの相談が来ることもあります。だから、もう僕は仕事と釣りというのを離してはいけないんじゃないかな。と思ってます。」

 

― 釣り人というのは、連帯感があるものなのでしょうか?

小野寺「釣れない釣りなので、どこなら釣れるんだろう?とか、アイツなに使ってるんだろう?とか、話を聞きたいわけですよ。自分も釣りたいので情報が欲しい。情報が欲しかったらどうするか?うちに仕事もらうしかないですよ(笑)。そんな打算もありつつです(笑)。」

 

― 釣りはご趣味だとしても、それに対して妥協しない姿勢というのは、お仕事にも共通すると思うんですよね。趣味の釣りに対して、これだけ真剣に取り組んでいる方なら、一緒にお仕事しても、こういう姿勢で気持ちよくお仕事できるだろうということがわかりますよね。

小野寺「そうでしょうかね(笑) イベントの司会ではこういう格好なんですけど(写真) なぜ、こんな格好をしているかというと、釣り人ってシャイなんですよ。知らない人に会うと、あんまり話せないんですね。そこで、僕がはじけた格好で場を盛り上げて、声出して盛り上げよう。ということになったんです。僕は少林寺拳法を習っていて、中学校2年生くらいから初段を持っていたので、練習のときにはみんなの前で声出ししていたんです。僕の声が小さいとみんなも気合が入らない。声出しの人間が大きい声を出さなくちゃならないということで、イベントの時でもそういう風にやってます」

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2014年北海道アングラーズパーティで総合司会を務める小野寺社長/画像元:「モンスタートラウトと出会うために・・・」 http://goo.gl/Q20gwx

 

― 小野寺社長は、釣具メーカーのフィールドスタッフをされていると伺いました。具体的にはどういうことをなさるんですか?

小野寺「メーカーで作っている製品のテストとか、営業活動というとちょっと違うけど、宣伝も含みます。使ってみて、感想をブログで発表したりしています。」

 

― お仕事との関係もありつつだと思いますが、ご自信で魅力を感じていないと、身を削ってまで釣りにのめり込んでいくということはないですよね。釣りの魅力についてはどう思われますか?

小野寺「先ずは仕事メインで考えていました。ただ釣りをしているだけだったら、釣り好きのおじさんで終わってしまうので、自分を認知してもらうために何が出来るか考えました。そこで、fimoという釣り専門のSNSで釣りブログを書くことにしたんです。そのfimoで『凄腕』という釣りの大会があって、1月から始まって、色々な魚を釣っていくんですが、4月くらいには、トータルで僕が1位になっていたんです。これ、もしかしたら頑張ったらいけるんじゃないか?と思い始めて。そこからがむしゃらに釣りしました。毎日のように、現場終わってそのまま釣りに行って朝帰るとか、もう、負けられないな!と思って、おかげさまでその年の年間北海道チャンプになったんですよ。2011年だったかな。」

 

― そうですか!最初はお仕事のために始められた釣りを極めていくうちに、ご自身の才能に気付かれたわけですね。

小野寺「いやいや、そういうわけでもないんです。結局はそこも仕事に繋いでいくんです。僕、ハンドルネームが『ビコウ』っていうんですけど、うちの会社の名前なんですよ。自分にタイトルが付きますよね。タイトルが付いたことによって、会社の名前のPRにもなるんです。大きい会社に営業に行きますよね。そうするとその部署にひとりは釣り好きが居るんです。それで近づきやすくなるんですよ」

 

― 目的はひとつ。仕事のため!なんですね。 小野寺社長の愛用の釣具メーカーがありましたら、ご紹介くださいますか?

小野寺「僕は、Sammys(サミーズ)というルアーメーカーを愛用しています。」

 

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小野寺社長が愛用するブリ専用のジグ『Flow』(左手)とMSP(右手前)

 

― 他のメーカーに無いSammysの特性を上げるとしたら何ですか?

小野寺「ビルダーといって、釣具を作る人間の発想で生まれるルアーなんです。Sammysはジグ専門メーカーなんです。実物をお見せしますね。 これが、海で釣れるアメマスとかサクラマスとかヒラメを狙うために使うメタルジグというものです。さっきもお話したブリ。北海道でブリが釣れる事なんてめったに無かったんですが、最近は温暖化の影響でここ数年、釣れるんです。これがブリ専用のFlow(フロウ)というジグ。これがすごくよく釣れます。これは『MSP』といって、マスノスケスペシャルという名前が付いています。」

 

 

― マスノスケさんが考案したんですか?

小野寺「そうなんですよ。マスノスケというハンドルネームの僕の仲間が考案したジグを、Sammysで商品にして販売したものです。ハートの目が特徴です。トローリング用にはこちらを使ってます。ブラウントラウトはこっちのミノーで釣ってます。こちらはRマジックというメーカーです。考案したのは関東のビルダーさんです。僕もここのフィールドスタッフをやらせて頂いてます。」

 

― これは沈めて使うんですか?

小野寺「いいえ、浮いてます。レッドコアラインって言って、ライン自体に錘が入ってるんですよ。それで沈めていくので、操船テクニックが必要になります。あんまりメジャーな釣りではないんです。これは魚皮で出来ていて、ヒメマスの皮で作ってるんですよ。本物の魚の皮の表面をコーティングしてあって、プリントじゃないんです。」

 

― お幾らくらいするんですか?

小野寺「作ってもらったら、ひとつ1万円~2万円くらいします。」

 

― 一般の方でも買えますか?

小野寺「メーカーのウェブサイトは無いのですが、商品としては流通していますから、購入できるとおもいますよ」

  

― もし、分からなければ、fimoのビコウさん(小野寺社長)に直接お問合せください。と掲載しても、よろしいですか?

小野寺「いいですよ(笑)」

 

―ありがとうございます。では、小野寺社長のブログを以下にご紹介させていただきます。

※fimo『モンスタートラウトと出会うために…http://www.fimosw.com/u/bikou

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小野寺社長愛用の Sammys のジグ(左) と Rマジックのミノー(右)

 

小野寺明男 社長インタビュー  【】【】【