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わたなべゆうかがオススメする大人たちが集う札幌の美食処。記念すべき第一回目は、親子二代に渡ってすすきのに暖簾を構える『ひぜん』さんです。

 

趣のある暖簾。
シックな扉を開けると、なんとも懐かしい気持ちにさせてくれる優しい香りに、耳に入って来るのはジャズナンバー。
モノトーンで落ち着いた空間、特別感溢れる五感への刺激が最高に心地良い。

和であり洋であり。
そんな贅沢を味わえるのは札幌市中央区にある寿司屋『ひぜん』。
初代の店舗は漢字で『肥前』。創業は昭和55年という歴史がある。

『高校卒業してから親父の元で働いて、寿司職人になるんだろうな、と昔からずっと思ってきました。』

そう教えてくれたのは寿司職人歴およそ25年、ひぜん代表の片江さん。

かたえさん?珍しい名字ですね。

『親父が九州の出身なんですよ、だから店の名前は創業当時からひぜん、長崎のことなんです。』

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片江さんが現店舗をオープンさせたのは昨年の12月。
お椀や素材を生かしたシンプルなものほど難しい。そう語る片江さんの手元をみつめるのは非常に楽しく、その繊細さと丁寧さはまさに芸術ともいえる。

岩ノリのおかゆ

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一杯目のお酒の前に出てきたのは岩ノリのおかゆ。

『お酒を飲まれる前におなかを温めてください。』

絶品料理が思いやりというスパイスをまとって目の前に登場。
しっかりと出汁のきいたおかゆは身体に染み渡るという言葉がぴったり。

カニのほぐし身とウニ

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清涼感のあるガラスの器にはみずみずしいのカニのほぐし身とウニ。
そして三杯酢に鰹出汁を加えた土佐酢のジュレは、一見洋風な見た目を味わいながら口の中に広がる和の香り。

茶碗蒸し

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カウンター越しに美しく並ぶのは、片江さんに見初められたそれぞれ個性が美しい器たち。
出来立ての茶碗蒸しはどんぐりのように丸々とかわいらしい器に入って登場。
食べてびっくり。
マスカルポーネチーズ入り茶碗蒸し。
そんな茶碗蒸し、食べたことあります?
これだからお寿司屋さんにきておいて、一杯目からシャンパンがこんなにも美味しくいただけてしまう。

『なんとなくマスカルポーネチーズがあまっていたから入れてみたらおいしくて。』
そんな経緯で生まれたこの茶碗蒸しのファンは多いことでしょう。

ヤリイカ 山わさびとカリカリ梅和え

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これまでに頂いたヤリイカ料理の中でいちばん可愛らしかった、山わさびとカリカリ梅和え。今初めて作ってみました、カリカリ梅があったので。と片江さん爽やかな笑顔。
どの世界のプロも生まれ持った才能の有無だけでは語れないけれど、こうも研ぎ澄まされた感覚を目の当たりにしてしまうと、センスという名の才能は多くの人を幸せにしてくれる魔法なのかもしれないとしみじみ思ってしまう。

パスタ好きという寿司職人片江さん。
枠にとらわれず進化を続けるひぜんの秘密はまだまだ色々なところにありそう。

のれそれ、アナゴの白焼き

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のれそれ=アナゴの稚魚と生まれてはじめて出逢い、アナゴは稚魚の時から長いと知る。
ひとつ賢くなった私が堪能したのは透き通ったぷりぷりののれそれ、つづいてアナゴの白焼き、というアナゴオンパレード。

お刺身に握り寿司

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お刺身に握り寿司。
シメサバにホタテ、カマスの炙り。

ボタンエビは半分に切って一貫はそのまま、もう一貫は炙り、味噌は軍艦で、なんとニシンまでここでは生でいただけてしまう。
味は言うまでもないけれどとにかく手捌きがキレイで釘付け。

扉をあけて私が感じた懐かしく優しい香りの正体はたまごだったよう。
無類のたまご好きの自分。
ほんのり甘く香ばしいたまごをいただきながら振り返ってあらためて幸せを噛みしめる。

看板にも暖簾にも、寿司屋、の文字はない。

『ひぜん』
扉のむこうには極上のひとときがあなたを待っています。

 

ひぜん

札幌市中央区南五条西4 Nスタービル 9F
011-206-0358

18:00~翌1:00(L.O.24:00) 定休日:月曜日・祝日

わたなべゆうかわたなべゆうか

1988年8月4日生まれ 江別出身 血液型O型

ソプラノ歌手
FMノースウェーブ “L”(月〜木9:00〜11:55)のDJ

17歳で英国 Arts Educational Schoolミュージカルコースに入学、卒業後は英国 Royal Academy of Music声楽科で学ぶ。帰国後は、ミス・ユニバース・ジャパン2012北海道代表。ソプラノ歌手、ラジオDJ、モデル、イベントMC、歌唱/英語講師、通訳として幅広く活動。

  (取材:2018年3月22日)

 

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